2005北海道〜東北 4

サロマ湖 船長の家の朝
いつもどおり 早起きの私と 師匠と師匠のお友達の3人は 朝早くから 湖まで散歩した。
こんなにゆっくりとしたのは 久しぶりだ。
やはり師匠がおられるから 万事甘えて安心していられるからかな。

船長の家の朝食は 階下の食堂でみんなで食べる。
朝にしては やはり豪華な食事だ。
朝から鍋物かと思ったら 魚の汁物だった。
みんなもりもり食べておられるようだ。

こうしてみると バイク乗りが沢山いる。

話してみると 殆どがリピーターのようだ。

右手だけ写っているのが 私の師匠です。


身支度をして 外に出ると 駐車場に 素敵な人を発見した。
神戸のBMWとSRX250の熟年ご夫婦
きれいなビンテージバイクに ちっちゃくてカワイイ軽2輪の組み合わせは とてもほほえましい。おたがいいたわりながら ぽてぽてツーリングされている様子。
思わず側にいて ええな〜。。。。と ほんわかしてしまった。

もう一組は 札幌から来たご夫婦で ダンナがカワサキの大型バイク
奥様が珍しいカワサキのNZ250に乗られている。
ちっちゃな 足つきの良いNZなのだが 奥様はさらにちっちゃく シートあんこ抜きをして
やっとこ乗られていて とてもほほえましい。

こんなふうに 夫婦でゆったり仲良しツーリングにいけたら どんなに良いだろうなぁと
師匠と二人でうらやましがったり くやしがったり。。。
ある意味 私には縁のないものだが。


師匠は釧路の向こうの 道東林道に行かれるということなので ここでお別れ。
また連絡します。

網走からR244をたどり藻琴湖から南下 女満別の丘を横に見て 屈斜路方面へ向かうが 途中から気が変わり R334で急遽美幌の町へ そこからR240で阿寒湖方面へ さてどこへ行くのやら

津別町相生の道の駅で 昼食。
美味しい手打ちそばだったが なんせ出来上がるのが遅かった。
おなかが空いていたので ちょっと不機嫌になってしまったが、まるでどこかの誰かのようだ(くしゃみしたやつ お前のことだ)

しかしそれにしても 暑い。
バイクは日影に停めておく。オーバーヒート気味なので 少しでもエンジンをいたわってやらないと 暑さで不機嫌になる。このあたり持ち主と似てきたようだ。

そろそろオイルの交換時期(千キロごと)なので 今日明日には交換作業を済ませたい。

北海道は本州とは 随分植物相が違う。
道端の雑草も 山の中では 大きな蕗の葉っぱや
シダ類 などが普通に生えていて 驚いてしまう。

本州なら イネ科の植物か 帰化植物のハルジョオンとか セイタカアワダチソウなんかが見られるのだが。。
それとクズやヤブカラシがどこまでもツルを伸ばして
一面に生えているのだが 北海道ではどこにも見られない。

ここはやはり異世界なのか。

去年宿泊させてもらった 足寄の大阪屋食堂の前まで来る。懐かしい。
大阪屋食堂の真ん前は 駅舎であり道の駅でもある。
そこの駐車場にバイクを停めて休憩していると 声をかけて来る人がいる。

「なんや、高槻かいな?」
ハンターのナンバープレートを指差して 35〜6歳位の人が にこにこ笑って話しかけてきた。
「えっ、はい 高槻ですけど そちらはどこからですか?」

「大阪市内や ○○○区」
大阪人は総じて気さくな人が多く どこへ行っても物怖じしないし 同郷のものなら 
すぐうちとける人が多い。

しかし やぶからぼうに話しかけられると 馴れ馴れしいとか 厚かましいとか思われて
関西人以外の人からは 嫌われやすい。

私は勿論 この人と同種の人間なので すぐさまこの人と 仲良くなった。

彼はこちらが聞いていないのに 自分から身の上話をはじめた。
つい十日ほど前まで 大阪の下町の商店街で 飲食店の雇われマスターをしていたこと。
不況で職場を失い わずかな家財道具を持って 北海道へ来たこと。
しばらくは仕事をしないで 車で寝泊りしながら 貯金がなくなるまで 北海道を放浪するつもりでいることなど。

「どうして 北海道を選んだんですか?」
「こっちは涼しいからや 大阪は暑いからなぁ」
ごもっとも 私が夏に北海道に来るのも 似たような理由です。

彼は これから道東方面に行くとのこと 
「また どっかで」
「あ、うん そうやな、おおきに またな!」
お互い 意味のあるような 全くないような 訳の解らない挨拶を交わしながら
反対方向へ離れて行く。

彼にとって 捨ててきたかもしれない故郷だけど 大阪弁が聞きたくなって 私に話かけたのでしょう?
大阪は暑くて ごみごみして ガラが悪くて やかましい街だけど 懐かしいと また今度思ったら そのときはまた帰ってきて欲しいな。

わずか10分ほどの立ち話。

足寄から先に進むと 去年訪れた 上士幌の町 
町外れのガソリンスタンドでは パリダカに出るような出で立ちの外国製バイクが給油していた。

ハンターだって負けてはいない。
多分一日の走行時間では 負けていないと思うのだが。


上士幌の町は ライダーが沢山訪れる街だが ライダーには優しくない。
毎年厳しい交通取締りがあって 捕獲されたライダーを沢山見る。
この日も 上士幌管内でつかまったライダーを わずかな間に2人も見た。
みんな 注意してゆっくり走れよ。山の中の牧場の脇の道で 白バイが隠れているよ。
ここはバイク天国なんかじゃないよ。

さらに先に進む 去年衝撃の出会いがあったガソリンスタンド。
ここは新得。R38と道々75との交差点
火曜日ミーティングのメンバー しょっちーさん じゅんちん まこちんと ばったり遭遇した奇跡の交差点。
今年は まだ彼らは渡道しておらず 会えるはずもなし。
でも やっぱり懐かしい。
黄色い3台のバイクが いまにも目の前に現れそうな そんな気がしてしばらく遠くを眺めていた。
おーい! しょっち〜さーん!

ここから先は 去年のリベンジ。
実は去年 しょっち〜さんとお会いする直前 日高方面へ行くか富良野方面へ行くかで 悩みに悩んで しばらく考え込み 結局富良野方面へ走り出した直後 しょっち〜さんに見つかって 捕獲された経緯がある。


それでは 時計を去年の時間に戻し もうひとつのルート日勝峠方面へ行くことにする。

清水ドライブインは 十勝側の峠にあり 去年来たかったところ。
牛トロ丼で有名な食堂 レストラングリーンピアに立ち寄る。

売店には エゾジカの角が売っていた。
こんなもん誰が買うのだろうか。

日勝峠を越え そのまままっすぐ夕張方面へ行くか 南に下って平取(びらとり)から海へでるか しばらく悩む。

峠を越えたガソリンスタンドで聞くと 平取ルートを奨められる。
今から向かうと夜になり 夕張ルートは 真っ暗な山越えで勾配もきつく ガソリンスタンドもヘタすると夕張の先まで開いていないかもしれないとのこと。

平取ルートは わりあい勾配が少なく下り道で 交通量もまあまあ ところどころ開いているスタンドもあって 安心できるというのだ。

ハンターのエンジンは 山越えの連続運転で やや熱ダレを起こしかけており 注意が必要だ。人間は馬鹿みたいに元気なのだが バイクの方がよほど繊細なもので 労わってやらなければならない。

これほどまでして どこへ向かっているのか それは走りなれた北海道 行ったことがないところは もうわずか 今年はしばらくご無沙汰の 道南 支笏湖あたりに行こうかと 気まぐれに思った。

日高からR237ルートで平取を越え 門別へ

平取を越えたあたりから もうあたりは真っ暗だが スタンドで教わったとおり 道はやや明るく比較的走りやすく 海まですんなり出られた。

門別のコンビニで 師匠に連絡をいれる。
・・・・・しかし 師匠の携帯は応答せず。
多分圏外におられるようだ。
うーん。。

遅くなってしまった 今夜の宿は 去年利用した苫小牧の健康ランドにしようかと うろうろしていたが その前に 苫小牧フェリー埠頭に行ってみた。

東日本海フェリーの船は 私が乗ってきた新日本海フェリーに較べて 古くさくて小さいが 昔の船を見ていると 何故か懐かしく 乗ってみたいような気になる。
埠頭では 自衛隊のジープや輸送トラックの大群が 順番待ちをしていた。

切符売り場に行ってみると 2時間おきに 青森八戸行きの船が出ているという。
なんとなく 切符を衝動買いしてしまった。

えっえっえ〜!?・・・・
我ながら あきれるような 無鉄砲で無計画な行動。
帰りの切符は 一週間先の小樽から舞鶴行きのチケットを買って懐にあるのに・・・

そこで 急遽 隣の苫小牧東港へ行って 先に買った新日本海フェリーの切符を払い戻し手続きをし 急いで戻って東日本海フェリー 苫小牧〜八戸間のフェリーに乗り込む。

・・・・・・って 北海道全然楽しんでないやん!

人は私のツーリングを ロシアンルーレットツーリングと呼ぶ。

「また今年もあいましょう!」 って約束した皆さん ごめんなさい。
あきさん GPZ1200Rさん トリプルさん kazekozouさん 師匠 ほんっとにごめんなさい。

雨の雲を本州にお持ち帰りしますから 許してください!

22時発 苫小牧発 八戸行きのフェリーは 沢山の自動車と8台ぽっきりのバイクを乗せて出発した。ホンダレブルに乗る 盛岡に帰省する札幌の女子大生 札幌在住のCB1300SFとXJ1300の社会人コンビと仲良くなった私は 一緒に乗船する。

やはりバイクは先に乗せられる。
ということは 降りるのは最後か。。

これからこの車両甲板は 自動車で埋め尽くされる。

でも先に乗せられて 得することもないではない。
2等客席なら 真っ先によい場所を確保できるし 誰よりも先に空いた風呂へ入ることもできるというものだ。

2等客室は すぐに人で埋まってしまった。
札幌の社会人二人連れは 私と同じ部屋の隣同士に場所を確保した。

レブルの女子大生は 2等寝台の切符をかったとかで そちらへ行ってしまった。
せっかく仲良くなったのにね。

お盆頃に フェリーの2等客室は どこもこんな感じ
まるで 難○キャンプみたいでしょ?
これが嫌なら 1等船室なり特等船室なりの切符を確保すべし。

いっとくが 私はいっこうに気にしない 寝れれば充分。
人間 「立って半畳 寝て一畳」という言葉がある。そのとおりだと思う。。

一緒に乗った二人が 良いものをくれた。
北海のタコの皮の干物 ブラックペッパーをたっぷり効かせた一品。
彼の命名によると「タコジャーキー」というそうだ。
ついでに 彼のHNもタコジャーキーにしようよと 持ち掛けると笑っていた。

タコの身のほうの干物もあって 買ってきたビールはまたたく間になくなった。
このジャーキー たいへんうまかった。
来年 買って 大事な友人の土産にすることにしよう。来年は 道北まで行かなければならない。
うーん 来年の予定がはやばやと たったか?!

明日の予定がまだ立ってないというのに(笑)

ビールの酔いは 心地よかった・・・・・・(明日の朝は 八戸)






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