2005北海道〜東北 7

道の駅みかわの朝
いつもどおり早く起きて 荷物の仕度をしてから 朝食一番のりで 7時にレストランの席に着く。
食事が済めば バイクのメンテを 宿泊所の真ん前でやる。
昨日チェーンをヒトコマ切ったが またまたチェーンが伸びていたので タイヤを引っ張って調整する。

まだまだ伸び続けるような気配のチェーンに 不安を覚える。
帰るまでにチェーンはもってくれるだろうか?

ブレーキの調整をし オイルとタイヤの点検。旅に出てから タイヤの磨耗が予想以上に激しい。はずかしい話だが ツーリング減りといって 真ん中だけタイヤの山が減ってゆく。

タイヤも要注意。タイヤやチェーンなどの駆動系の消耗が激しい。
走りながら バイク店を探して部品交換しなければと 焦る。

とはいうものの いつものツーリングのペースは崩さない。
この状況を楽しむ自分がいることに気がついて苦笑する。

道々バイク屋を覗くが チェーンやタイヤの在庫を置いている店がなく どこも気の毒そうに
断られる。

青森に着いて 本州を縦断するようになってから バイクに 負担のかからないような走り方をするようになった。ゆっくりしたシフトアップ 滑らかな加速 慎重なシフトダウン ポンピングブレーキ 加減速のたびにチェーンの音に耳を澄ませる。タイヤの空気圧は高めに設定して 転がり抵抗が減るように調整する。

日本海沿いを新潟へ向かうことにする。
昨日宿でみた天気予報が気にかかる。

東北地方は北部 中部 南部は おおむね晴れ。
ただし日本海沿いは局地的に雨の降るところもあります・・・
進行方向に真っ黒な雨雲が山と海の際(きわ)に停滞して どんどんこちらへ向かってきた。
・・・・・嫌な感じ。いつもの雨神がやってくるあの感じ。逃げ出したいけど この道を通らなければ 新潟へはいけない。
不安を抱えながら国道7号をまっすぐ南下する。

あつみ温泉を過ぎ R345号とR7号の交点までくると 10人くらいの警察官が物々しい格好で沿道の整理をしている。どうやら海ルートのR345号は雨のため通行止めになったらしい。
ここは途中に笹川流れという日本海側の難所があり 昔からよく通行止めになるところだ。

通行できる山側のルートR7号を進む。まだ雨は全く降っていない。
一つ目のトンネルを越えると 雨が降り出し やがて本降りになった。
雨は進むごとにどんどんひどくなり やがて前後が見えないくらいの 恐ろしいほどの降りかたになった。前後にクルマに挟まれ スピードを落とせない。

自動車はワイパーがあるためか 比較的平気で走っているが こちらはシールドの水滴が切れることがなく 視界は極端に悪い。
おまけに対向車が盛大に水はねを上げてくれる為 水しぶきを頭から被ることになり 何度もドロが視界を塞いで 前方が真っ暗になる。

なんども後続の自動車やトラックをやり過ごし それでも前へ進む。

やがて道が登りにさしかかる頃 通行止めに柵を設置し始めた国道パトロールの 係員に出あった。
なんと今しがた5分ほど前に R7号が通行止めに入ったようだ。
峠の瞬間降雨量が危険降水量を越えたらしい。

仕方ないので10kmほど手前のコンビニまで戻って様子を見るが 道路状況はここではわかりにくい為
さらに手前の道の駅まで 下がることにする。

雨は峠ほどきつくなく 篠つく雨といったところ。

仕方なく道の駅あつみ温泉まで戻る。しばらくすると ここにも雨の本隊はやってきて かなりの雨を降らせる。
やがて晴れるが 峠方向は真っ黒い雲が山を覆っていて不気味な雰囲気。
戻ってくるタクシードライバーや バスの運転手に 先の道路の状況を聞くが 峠ではいっこうに雨足は衰えず 通行再開は不透明のようだ。
おまけに 峠を越えてもその先の道路が冠水して 通行規制があるらしい。

道の駅に1時間ほどいて 諦めて迂回道路を捜す為 鶴岡市内まで引き返す。
急ぐ旅じゃなし まだまだ時間はあるしね。


鶴岡市内に戻ると 一軒のよさそうなバイク屋を発見!
訪ねてみると 私の欲しいチェーンを偶然在庫しているらしい。埃を被った箱を見せられたときは 本当に嬉しかった。引き返してよかったのか。怪我の功名だった。
旧車を多く持っているバイク屋だったのが 幸いした。腕も確かなようだ。

残念ながらハンターに合うタイヤは在庫していなかった。これはチェーンよりもっと捜すのに骨が折れそうだ。

バイク屋で聞くと R112は高規格自動車専用道路の為 原付は通行できないらしい。
まっすぐ新潟に行くことは出来ず 大きく200kmほど迂回して 山形からまわらなければならない。

ところどころ雨は残り 雨雲を避けながら 進行方向と原付でも通行できるルートを捜して 悪戦苦闘の一日が始まった。

ただひとつ幸いしたのは チェーンの心配が軽減したことと 雨のためエンジンが冷やされて 熱ダレの心配をしなくても良いことくらい。
この雨の日は 私に幸いしているのかもしれない。

庄内のある農協で こんなものを見つけた。

こういうものは 子供たちへの浸透力がたいへん強い。

子供たちはわけもわからずマネをしているが 大人たちはそれを見て 赤面するだろう。

困ったカンバンだ。

雨雲はゆっくりと 私の進行方向を逃げてゆく。
私もゆっくり進むと いま雨のやんだ間際の濡れた道路を走れる。
うまくシンクロしているようだ。

速すぎて 雨雲に追いつきそうになると コンビニでちょっと一休み。
雨の本隊はやがて太平洋へ押し流されていった。

バイパスを通れば 早く南下できるが お目当てのバイク屋が見つからない。
一計を案じて 旧道を走ることにする。
旧道なら 生活道路なので バイク屋も見つかるかもしれない。
タイヤを捜してバイク屋で聞いてみるが やはりどこにも置いていない。

まあぼちぼち 捜してみるか。

今回 川原毛大湯滝に行きたかったのだが このタイヤでは無理だろう。
次の機会に行くことにしよう。

・・・といいながら ツーリングは楽しくなければツーリングじゃない。山形で有名な村山市の 蕎麦街道へ寄り道する。
この店は 見た目やれた感じの建物だったが 蕎麦は味わい深い どっしりとした 美味しいものだった。
山形は天童の水車蕎麦といい どこもレベルが高い。とくにこのあたりには もっともっとすごい店がありそうだ。
またいつか来ることにしよう。
村山市蕎麦街道「リバーランド隼」
天童市「水車蕎麦」

時間を食った。日も暮れて天童市内に入る。
昼間からユースホステルに電話して宿泊の申し込みをするが あいにくいっぱいで泊まれないらしい。
ユースに泊まる時は洗濯をしたい時だ。
旅館やホテルでは洗濯できず 野宿なら尚更無理だ 

天童市内にはいると うまい具合にコインランドリーを発見する。
旅先とはいえ いっきに洗濯してしまおう!
トイレで下着まで脱いで 着替えを残して 全部の衣料を洗濯機に入れる。

大きな毛布用の洗濯機しかなく 随分不経済だったが すっきりと洗濯できた。

あー気持ちいい!!

コインランドリーは国道沿いにあり 隣のガソリンスタンドと併営のようだ。
こちらもセルフ店であり せっかくだから ガソリン補給をした。

さて今夜のねぐらは どこにしようか?

道の駅天童温泉で今夜は休むことにする。
今日もビバーク。
軒下に広いスペースがあり バイクと人間両方濡れずに眠ることができる。

まん前に24時間店のマックスバリュがあり 夕飯の買出しをする。
缶ビール1本と ゲソ天と野菜ジュース
野菜摂取は重要だ。

今日もあわただしい一日だった。
目をつぶると 一分で眠ることが出来る。
ウソだと思うなら 私の友人に聞いてみることだ。
友人いわく お前は動物並だ・・・・・・褒め言葉とうけとっておこう。
・・・・・もう寝る。おやすみ。。。。


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