赤い夢


子供の頃 赤い夢を見ました。
その年の夏 私たち一家は 毎年恒例の海のそばの おばあちゃんちに 
泊まって夏休みを過しました。

お盆に入った夜、火事の夢を見ました。
真っ黒な夜空を 家よりも大きく高い赤い赤い炎が
ゆっくり ゆっくりと こちらへ迫ってきます。

幾つかの家が燃えています。

よく目を凝らしてみると 燃えている家は 私たち一家が
数ヶ月前まで住んでいた 懐かしい家でした。


・・・・そこで目が覚めました。

とてもリアルな夢だったので 朝 母に話して聞かせました。

しばらくすると 仕事で田舎へ帰省するのが遅れていた父が
やってきました。

開口一番 

「おい えらいことになったぞ!」

父の手に握られていたのは その日の新聞紙

一面に大きく出ていたのは 火事の写真でした。


そう 私たちが春まで住んでいた家が火事になって
燃えている写真が大きく載っていました。

「昨日 夜中に 前に住んでいた地域で火事があって
前に住んでいた家も類焼して 焼けてしまったよ」
「あのまま 引越ししなかったら 今頃どうなっていたことか」

母と私は驚きをかくせず 目を見合わせました。

火事で家が焼けたのは ちょうど私が寝ていた時間。

不思議な出来事でしたが なんにせよ 助かったのは確かです。

春の引越しは 突然降ってわいたようなお話しで 
あれよあれよというまに決まって いきなりの引越しをさせられましたが
こうなってしまえば 引越しに反対だった私も

「助かったね!」というしかありませんでした。


この火事は被災家屋も多く なくなった人も出たそうです。

私の夢は昔から ずっとカラーの夢です。
大人たちは不思議がりますが 皆様はいかがですか?

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