怪しい探検隊 石切編 2005/1/16

大阪府東大阪市の石切神社は 大阪の庶民の尊崇を集めて いつも参拝の人々で賑わうありがたい神社です。ここのご利益は 病気平癒であるため 神社へ向かう参道には 漢方薬屋さんが多いのです。他は とにかく古いもの 荒物屋も食べ物やも古いもの 懐かしいものの宝庫です。私でさえ 初めて見るくらい古い生活雑器もあって 興味深く ブラブラ散歩には最適のエリアです。

今日はみんなで初参り。昼頃 石切の駐車場で 仲間と待ち合わせして まずは猫のたむろするベンチに向かいましたが、今日は人が多いため ぶらぶら散歩する猫には出会えませんでした。

今日のメンバーを紹介します。あんどんカブ70のガキデカさん CB400for(現行)のチェリーさん カブカスタム90のとしさん カブC90のメガネぱんださん カブC90のまぁちさん カブC90のはやしさん C50ジョッキーシフトスペシャルの頭文字山Dさん リトルカブ50の火夜さん(今日は徒歩) そしてハンターの私 いつもだいたい 10人前後集まることが多いです。
全員気の合う仲間で わきあいあい 石切さんにお参りを済ませてから 参道へ歩き始めます。
ゆっくり見るのは 歩くのが一番。町のにおいと色と形と味を感じます。
参道は近鉄石切駅までのダラダラした坂道を 15分ほど歩く距離に びっしりと商店やお寺が並んでいます。道幅は狭く沿道の家並みも軒は低く 青空が道幅のまんま 山の上までカーブしながら ずっと続いています。
途中の餅屋さんで 珍しいものを買い込んで ちょっと買い食いをしました。

チョコ餅>生チョコを餅皮でくるんで ココアパウダーを振りかけたもの 甘くて苦くて柔らかい面白いものでした。もうひとつは みたらしあん仕立ての五平餅。ぱんださんのお勧めです。
沿道は不思議なもの 変ったもの 他の場所では浮いてしまうものなど満載で 特に多いのは占いやさん。占いやさんのひしめき合った長屋みたいなところや 宗教施設だか占いやさんなんだかカウンセラーなんだか 皆目判別のつかないところ(多分 それの全部含む)

占いに来る人は 多分目移りして どこにしようか戸惑うだろうなぁ
どこで占ってもらうかを まず占ってもらわなければなりませんね。(笑)
しばらく行くと 怪しい荒物屋さん発見(失礼!)商品豊富なんですが 下界の町では見かけなくなったもの たとえば 便所の前に吊るす手洗い用の水タンク 食卓カバー(ご飯やおかずを覆う蚊帳みたいなもんです) 金網のネズミ捕り 湯たんぽ 洗濯板 わらじ 木のおひつ(ランチジャーですな) 肩たたき棒 豆炭あんか 押し寿司の木の型 七輪の五徳 多分20歳代の人は 見たことがないものばかりでしょう。
昼集合だったので みんなで昼食をいただきました。
食堂は判で押したように どこも店頭で おでんの鍋を並べて 美味しそうな湯気を参道に昇らせています。私はここの定番 バラ寿司とおでんを注文したのですが バラ寿司は作ってなくて ちらし寿司になりました(両者はびみょーに違うんです)おでんは ホクホクして美味しくて ヤッパリ当たりでした。
他のみなさんはうどん定食と 明石焼うどん(?)定食が半々でした。
明石焼うどんには興味シンシンでしたが 猫舌の私には危険な香りがいたしました。
熱いものは 鬼門なのです。
参道散策も済ませ 次に向かうは 暗がり峠 日本の道100選に選ばれているくらいの 風情ある峠なのですが ルートが難易度が高く 初心者にはちと厳しいものがありまして 危険度大なのでした。

バイクに乗り初めてまだ1ヶ月の 火夜さんは石切さんでお留守番をしていただいて おっさんばかりで峠に向かいます。
しかしこれが えらい時間がかかって あとあと 火夜さんに待ちぼうけを食らわせてしまうことになろうとは・・・(火夜さんすみませんです)
分かりにくい道を 先頭のはやしさんに先導してもらいながら 峠の途中まできました。
バイクによっては道の勾配がきつい為 ローギアでしか上がらないので 50ccの山Dさんには厳しいのですが みんなけっこうベテランライダーばかりなので(山D氏も)うまく登っていきます。
私のハンターは 常識外のハイギアセッティングをしてしまっているので 案の定ローギアでしか登りません。
途中でとしさんに(90)抜かれてしまいました。
みんな元気良く上がりきりました。
凍結表示が出ていた為か 自動車の通行は少なく 危険度は低かったのはなによりでした。
風情ある暗がり峠の頂上です。
じもとのおばちゃんに教えていただいたところ 松尾芭蕉の最後の旅は この峠を越えて 大阪へ向かったとのこと。
老齢の俳聖は 何を考えてここを歩いたのでしょう。

「旅に病んで 夢は枯野をかけめぐる」

暗がり峠を越えて大阪へ降りて やがて彼の地で亡くなった彼は この句を辞世の句として残しています。冷たく乾いた風が 峠を駆け抜けてゆきました。 
・・・としみじみすることもなく 現代の我々は 汗ひとつかかず(冷や汗は別) 原チャでここまで来れることに感謝しなければならないのかもしれません。

寝転んでいる方が 登り道50ccで一番苦労した山Dさんですわ。

峠は吹きっさらしで 非常に寒く みなさん写真撮影後は 一気に顔がこわばっていました。
その後さらに高みに上がろうと 民家の裏から展望台へあがりました。

みはるかす下界は 広い大阪平野と大阪湾 そしてかすむ向こうは 神戸の町
みんな 本当に寒いのか ヘルメットを被ったままで 下界を眺めています。 
重く垂れ込めた雪雲の切れ目から わずかな陽の光。天使の階段と呼ばれるものでしょうか。

昔の大阪湾は 河内湖という汽水湖が 現在の大阪市の殆どを占めて 大阪城や四天王寺のある 上町台地以外は 水の底だったという話を何かの本で読みました。

天平の頃 この景色をみた古代の人は きっと見渡す限りの湖を見て はるか大陸への思いをはせたのかもしれません。
寄り道好きのメンバーばかりなので 下の町へ降りることをすっかり忘れ 下で待っていた火夜さんに 長い間 待ちぼうけを食らわせてしまいました。

石切から国道170号に向かって 少し行ったところにある 「風の湯」というスーパー銭湯で 火夜さんと待ち合わせしていたのですが 連絡が取れず やきもきしていましたが その後やはり会うことができてほっとしました。

その後 私はお先に失礼して帰りました。

我々の集まりは 参加も退出も自由です。
人に迷惑をかけないなら どなたでもお越し下さい。

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