Rさん

私のツーリングスタイルは ほとんど一人です。日帰りで先輩数人と 走ることはあるものの 泊まりになると一人の方が 気楽ですから。
しかし 一人だけ一緒に走る奴がいます。私は 我がまま者で あまり人と走ることを好まないのですが 友人のRさんだけは 何故か何回か 長距離ツーリングに出掛ける事がありました。
彼と私のツーリングスタイルは 全く正反対で 私はなるべく距離を伸ばしたい方です。一方Rさんは のんびり ゆったり のらりくらり そして出発したら 休憩ばかりします。最初の頃はイライラしました。
でも今は お互い適当に走って 適当に帰っていくので 気が楽になりました。

Rさんのとっておきのエピソードを紹介しましょう。
 その年の 北海道ツーリングは モトとレール(関西版のモトトレイン)で一緒に北海道入りするはずでしたが いい加減なRさんのこと 切符を取り損ねて あわや北海道行きがフイになりそうになりました。彼は 私の出発の前々日の切符を何とか手に入れて 会社には嘘を言って 私にも内緒で 先に北海道入りしてしまいました。
分かりやすくいうと ずる休みして旅行に出発してしまったのです。
事情を知らない私は 彼の北海道行きが 流れてしまったと思い込んでいました。

約束していた北海道行きの電車にも 乗っていなかったし ツーリング中も一度も出会いませんでした。
北海道最終日 私が函館の朝市で 帰りのお土産を物色していると 私の袖を引っぱってくるものがいます。こんな所で誰だろう?と振り向いてみると 見覚えのある長ーい長ーい顔のRさんでした。

しかし良くみると とても軽装で 北海道ツアラーには到底見えません。サンダルに 短パン半そでのアロハ(アホか!)という実に信じられない格好で へらへらと私を見て笑っています。
不審に思って聞いてみると 実に信じられない話をしてくれました。
ツーリング中交差点で 信号待ちしていたところ わき見運転のアベックの自家用車に追突され 10メートルも引きずられたそうで バイクは大破してRさんは意識不明で病院に運ばれたそうです。 
現場にいた目撃者によると アベックは バイクを巻き込んでいるのに気がつかず 10メートルも引きずった所で止まり、この時 被害者は死んだと思ったそうです。

・・・で病院で気がついたRさんはといえば かすり傷だけで 検査の結果どこも無事でピンピンしています。信じられないことですが バイクに積んだ テントやシュラフ 着替えなどが 衝撃吸収をしてくれたのだろうと いうことでした。おかげで それらの荷物はボロボロになってしまって ゴミと変わり果ててしまいました。
Rさんは病院に一晩泊まっただけで退院して その後加害者の親御さんの勧めで レンタカーを借りて(料金加害者側負担)残りのツーリングを楽しんだそうです。

このあと Rさんは私と一緒に特急日本海で 大阪に帰りました。壊れてしまったバイクは北海道に捨てて帰って 後日 替わりのバイクを加害者側から 弁償してもらって「バイク新品になって儲けた」と不埒なことを申しておりましたが、事故のことが会社にしれて ずる休みがばれて 大目玉をくらったようです。

なんせ堂々と 会社の団体の災害保険の請求(今回の事故)を提出したため 上司に知れて大騒ぎになりました。事故の日付が夏休み前日だったのです(ホンとに アホです)

彼は 今でもこの時のことを「俺は運がイイから 無傷ですんだんや!」と自慢します。
運が良かったら 事故になんかあわんだろーが?!ねえ 皆さんどう思いますか?(#^.^#)

ちなみに 彼はツーリングには殆ど地図を持って行きません。長丁場の 北海道ツーリングにさえ まともな地図は 持って行きません。持って行くのは 北海道の土産物屋で売っている お土産のハンカチの地図を バイクのタンクにガムテープで止めるだけです。
彼に言わせると テキト−がカッコいいのだそうです。
友人ながら 信じられんわ〜こんな奴

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