北海道カブで行くなら

実は 私は 原付バイクで北海道に行くのは 二度目である。
最初の ロングツーリングが 北海道だった。(高校時代)
その後は 人並みにもう少し大きなやつで 渡道していた。
今回 久々に原付(カブ)で行ってみて 原付で行くことについて書いてみよう。
まず 注意点から 
第一に 航続距離=ガス欠について
当たり前のことだが 自分のバイクの航続距離を知ること。
航続距離=燃費×燃料タンク容量 という公式が成り立つ。普段から燃費をつける
習慣を持つことも重要だろう。

北海道は広い 昔ほどではないが ガソリンスタンドの数は少ない。主要国道や 一桁や二桁の国道なら なんとか開いているスタンドも見つかるが いつも開いているとは限らない。本州の(特に都会の)感覚で 走っていると ガス欠の憂き目に遭いかねない。

早朝 夜間 日曜日 不利な条件はいくらでもある。また 国道以外の道路 道々や地方の道は 極端にスタンドの少ない所もある。特に 道東などがその傾向が強い。
困ったことに これらの地方は 国道よりも これら地方道のほうが魅力的なところが多い。
まっすぐな荒れたダート 海沿いの荒地 原野の中を突っ切る道路 ツーリングライダーでなくても 魅力的な所だ。人工物といえば 道路と標識だけという所を ひたすら走るのはとても気持ちがいい。こんな所は 日本では北海道しかないと思っている。

しかし 人工物がないのだから スタンドもない。
本来 カブを始めとする原付バイクは 街中で使用するための シティコミューターとして設計されていると思われる。ロングは全てにおいて 向いていないのだ。
北海道ツーリングでは 原付はいつもガス欠を気にして 走らなければならない。わたしのC90は わずか3リッターでリザーブになるため 常に航続距離を気にして走った。

これは ゆっくり走ろうが 早く走ろうが関係ないと思う。リザーブになってから スタンドを探しても 手遅れになることが多いからだ。

特に夏季は 北海道農協のスタンド(ホクレン)でライダーに旗を配るので このスタンドだけを目指して走りたくなるのが 人情というものだが 早々簡単に自分の燃料切れサイクルとシンクロするものではない。ガススタンドを選んでいるほど カブに選択の余地はないと思って欲しい。

対策としては 予備燃料タンク シグなどのガソリンの燃料ボトルなどを 携行することも当然必要になってくるが まず常に燃費をつけること これが一番大事だと思う。燃費をつけていると ツーリング中のバイクの異変に 早く気が付くことも多い。

第二に 国道の巡航スピード。
北海道の郊外の道路における 自動車の平均スピードは 本州よりかなり速い。
北海道の道路における平均速度は 本州よりも市街 郊外共に高い傾向にあるが
特に 郊外では平均80km〜100km場所によっては それ以上の所さえあって 高速道路並みである。
このスピードの流れに カブでついていくのは不可能ともいえる。C90でさえ流れに乗るのは無理で 車に上手に追い越させるのが必要になるが マナーのわるいドライバーも多く車線変更しないで カブの横ギリギリに追い越していくものもいる。

北海道の 長い直線を道の真ん中を ゆっくり走るのを想像している方も多いが 実際はある程度スピードの出る乗り物でないと 実現不可能だろう。
実際のところ 道の端をせこせこと走ることになる。(夢をこわして悪いが・・)

第三に距離感
カブにとっては 北海道は思いのほか広い。行っても行っても目的地に着かない。のんびりと走るだけの余裕がないと 予定している日程はあっという間に過ぎてしまう。フェリーを往復利用するなら ゴール地点のフェリー港までたどり着けるよう 日程に余裕を持たさないと 帰る日までに港に帰れなくなる。

特に 人気の道東 知床や摩周湖は フェリー港の小樽や苫小牧から 結構遠いのだ。道北 宗谷岬も同様に遠い。日程には余裕を持って もし遅れるようなら思い切った コース変更も必要になってくる。もちろん 時間に余裕のある人には 関係ない話だが。(そんなツーリングもしてみたいな)

第四に 速度の取り締まり。
50ccのカブでも その気になれば 結構なスピードが出る。北海道では道が広く 速度感覚が マヒしがちなので 気をつけないとスピードオーバーしがちで こんな時に限って 取り締まりに遭う物だ。

本州よりずっと 取り締まりは少ないものの やはり大きな町の入口 出口 フェリー港の近く 高速道路のインターの近くなど 注意が必要になってくる。旅行中に 即免停では目も当てられない。良く 地図を確認すること 道路標識 道路標示 行き先表示を確かめること。一番 良いのはスピードを控えめにすること(私が一番 反省しなければならないが)

第五に 北海道のドライバーについて
北海道の ドライバーは普段バイクライダーにあまり慣れていないといえる。
雪国では バイク乗りが少ないのは当たり前。走れる期間が 本州より少ない為 地元のライダーが少ないのは当然だろう。
そのため 本州では日常茶飯事でやっていることでも 北海道のドライバーを怒らせることもある。
たとえば 信号待ちで 左からバイクが車に並んだとする。バイクは路側帯にいる。信号が変わって 同時にバイクと自動車がスタートすると 自動車は意地になって 競争しようとする。そして バイクを引き離すまで 加速することが多い。

この場合 本州なら ある程度バイクを追いかけても すぐにやめて道を譲ってくれるが 北海道は いつまでも追いかけてきて 時として幅寄せまでして追い越そうとすることも多い。もちろんすり抜けも嫌がる。

これらは 良く考えれば バイクも悪いのだが(左から追い抜くことになる)本州では 日常的にやっていることなので ライダーはなんとも感じていないことが 問題なのだろう。
また マナーの問題だが ウインカーを出さずに右左折したり 合図を出さずに左によって 停止したりすることも多いように見受けられる。

夢の北海道ツーリング まっすぐな道 青い空のんびりとしたツーリング。
大きく広い北の大地を 自由に走り回る。

とはいえ 結構気を使うこともあるのだ。
ゆったりのんびり 日程を組めば こんなこと 全部関係ないのだがね。

カブはあるけど 暇がない。(私の場合)
みなさんは どうですか?

次回は 楽しい方のはなし
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