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貞操の危機?

数年前の 夏の北海道ツーリングでのことです。
その日は ある街のユースホステルでの泊まりでした。

私はいつも 前日に電話で予約を取ってから 宿泊するのですが
その日は予定が狂い 電話をかけたのは夕方6時になってしまいました。

運良く予約は取れたものの 案内された部屋は 普段は控え室に使っている小さな部屋で
床には布団がひけるように空けてありました。

ユースホステルという宿は 普通はドミトリー方式という宿泊形態をとっています。
この方式は いわゆる登山の山小屋のように 男女別相部屋で洋室は2段ベットを使い ひと部屋5〜6人の収容人数 
和室は部屋の大きさに応じて5〜6人 時には10人部屋もあります。
和室の場合 いわゆる雑魚寝状態になることも 時としてあります。

この時私が案内されたのが 4人くらい入れる和室でした。

夜遅く到着したのですが 他の部屋は満室で明るかったのですが 私の入る和室だけがひっそりと暗かったのです。

明かりをつけ 私が部屋に入ると 誰も居なかったと思っていた部屋に 先客が一人おられました。
その人は 部屋の真ん中で あちらを向いておられましたが 何か変な雰囲気がありました。
その変な雰囲気は そのあとすぐにわかりました。

振り向いたその人を見て 少なからず驚きました。

その人は 十年くらい前まで テレビドラマ「裸の大将放浪記」でやってた 芦屋雁の助さんの役じる 山下清画伯そっくりの出で立ちだったのです。

大柄で太り気味の体躯に 白いランニングシャツ一枚 柄パン一枚 黒々とした脛毛に腕の剛毛 青々とした髯の剃り跡が鼻の下から頬 顎の下側まで覆っていて 顎は弛みがち
 太い眉に団子鼻 ごま塩のいがぐり頭をぼりぼり掻いて 50がらみのおっさんが 私の方をみてつったっていました。

その人は開口一番 「あら 相部屋ね・・・よろしく!」
・・・・(「あら」??って なんで おっさんが 「あら」?    なんなんでしょう?)

私はそのおかしさに 必死に考えました。
続けて彼が私に言いました。
「ぼさっと突っ立ってないで ほら はいりなさいよ!ねぇ」

??「ねぇ」?  「?!」

私は その不釣合いなおねぇ言葉を聞いて 背筋が寒くなりました。
このおっさん オ○マだったのです。

いや 個人の自由ですから この人がどう生きようが 私が干渉することではないのですが
この頃まだ十代だった私にとっては このような方には免疫がなく ただただ 恐ろしかったのです。

私は部屋の前で しばらく凍り付いておりました。
この日はとても蒸し暑くて 北海道にしては珍しく30℃を越えておりました。

こんな日は最悪です。
年中涼しい北海道では 都会でさえエアコンはあまり普及していません。

私は部屋がむし暑いからと言い訳をしながら その部屋に荷物だけ置いて
ロビーに逃走しました。

誰か 後から私の部屋に追加の客が来ないかと 待ち構えながら夜を過しましたが 私が入ったのが ギリギリチェックアウトリミットだったので 誰も来るはずはなく 結局部屋は暑いからと嘘っぽい理由をつけながら 部屋の外の長椅子で寝てしまいました。

夜中にうなされたらしく あのオジサンの夢を見ました。
とても恐ろしい 旅先の夜になりました。

いま思うと このおじさんには たいへん失礼なことをしたと思っています。

朝起きると 山下清画伯のコピーおじさんは 若くてきれい系の男の子をつかまえて 楽しそうにお話しをしていました。
(こっちが好みなのか・・・・)

なーんだ 心配することなかったのでした。


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