大雪の美山〜カモノセ 2005/12/27
年末仕事がたてこんで 10日連続出勤という嫌な勤務が明けてみれば 人より1日早い冬休みになりました。 年末の締めとしてカモノセキャビンに 年末のご挨拶に行ってきます。 実はこの前の週も カモノセに向かったのですが 大寒波に見舞われて あえなく返り討ちにあった 今日はリベンジなのです。 |
カモノセに着いたのは11時頃。 途中周山街道は 今まで見たことがないような積雪が頻繁にあらわれ 路面もシャーベット状の雪が散らばって ひやひやしながら走りました。 なんとか一番の難所栗尾峠を無事に越え カモノセキャビンにたどり着きました。 気象庁の今年の冬の予報は 例年通り「暖冬」だといっていたのに 見事にハズレ! 人間の知恵なんて まだまだ天には及ばないのでした。 |
雪の多い日カモノセに着くと いつもの儀式が待っています。 雪上は地面がゆるくスタンドを立てておくと バイクが転倒することもあるので 雪の中に前輪を突っ込んでおきます。 こうすると 倒れません。 前輪についた泥や融雪剤も 幾分落ちます。 カモノセのマスターによると 12月に降る雪にすると この地方では記録的な降雪量なのだそうです。 |
カモノセで気がかりだったのは 番犬のハナちゃん。 前回みんなで来た時は 病気をしていて 随分弱っていましたが 今日来てみるとかなり回復していて ひと安心しました。 もっともっと 元気になっておくれ。。 |
薪ストーブのまわりは 動物に占領されています。 この時間客は私一人なので、みんな好き勝手に寝ています。 猫2匹 犬2匹(預かりの新入りが1匹) 平和な時が流れます・・・・ でも・・・営業的には 困るのですよ。 忙しくないのは・・・・春になるまで 雪が溶けるまで・・・ はやくこいこい お客さん・・・ (皆さん 薪ストーブにあたっていると ほっこりして気持ちいいですよ。是非 おいでください!・・・・・動物一同より) |
細かい雪は降り続いていますが この時間なら路面は凍結しないので 勇気を出してカモノセから先に進みます。 雪の降り続く深見峠は 今日一番の難所でした。 ところどころ 凍結しかけており 出来るだけ低速で進みました。 クルマが後から迫ってくると 路肩に寄って道を譲ります。 この雪では クルマの通行も極端に少なく なんとか赤橋までは支障なく来ることが出来ました。 ここまで来ると 路面温度計は摂氏0℃でした。 たぶん峠の頂点では マイナスだったのではないでしょうか。 でも 緊張していたので ちっとも寒くありません。 |
美山町の赤橋(安掛)から 萱葺き集落(北村地区)へ向かいます。 道路は全線こんな感じです。 いや これなら随分マシなほうかな。 雪は降ったりやんだり。 ヘルメットのシールドが 雪で見えなくなって 何度も何度も手でふき取るのですが すぐ見えなくなります。 ややハードな状況ですが 慣れてしまったのか 落ち着いたものです。 まだまだ大丈夫! |
萱葺き集落に着きました。 秋のミーティングの時は 私は赤橋に居残りだったので ここに来たのは3ヶ月ぶりです。 今年は 随分雪が多いようです。 ここでは三人の土地の人と話しましたが やはり今年は記録的な降雪量だとか。 山国の人々は 便利な都会の人からは想像できないくらい 不便な生活をしておられます。 都会人は 田舎に憧れますが 自然の中の生活は 想像以上に厳しいものです。 ある意味命がけの部分もあって 村単位で助け合っていかなければ 生きてゆけない生活なのです。 美山萱葺き集落画像 |
萱葺き屋根のカヤは 村人全部の協力で 収穫し貯蔵し 各家に使うときは助け合い 融通しあって 屋根を葺くのだそうです。 家々には 囲炉裏があり 煙を出し 萱をいぶして 虫を追い出し 腐敗を防ぎ 雨漏りを防ぎ 昔ながらの生活を保つことによって 成り立つ生活なのです。 傾斜の強い造りの屋根は 積もった雪を自然に落とし 雪の重さで屋根が潰れるのを防ぎます。 住民は 家の周りに落ちた雪を 冬の間 取り除き続けなければなりません。 住民の高齢化の進んだ昨今は たいへんな重労働なのです。 |
我が国の日本海側の各都市の降雪量は 世界一の量なんだそうです。 新潟 金沢 富山・・・ どこも世界ランキングに名を連ねる降雪都市 京都府北部は 何番目なのかなぁ? |
例年なら 年明け1月に降る雪が 今年はもう降っていて このままこの雪は根雪になって 春まで解けないのです。 この雪の量は一年で 一番降る2月の降雪量に匹敵すると 土地のお年寄りが言っておられました。 82歳のおじいちゃんがおっしゃるには 生まれてこのかた 12月にこのような沢山の雪が降ったのを 見たことがない・・・・といっておられました。 地球温暖化の 裏返しなのでしょうか? |
沢山の雪まみれの萱葺き屋根が 寄り添うように ひしめき合うように ひっそりと立っています。 降る雪は音もなくひっそりと あたりを 真っ白に染めあげていきます。 郵便ポストも お地蔵さんも 屋根も畑も バス亭も 川も山も道路も丘も・・・・ とうとう本降りになってきました。 きれい きれい・・・ ・・・・おっと 不謹慎ですが つかの間の旅人には やはりきれいな景色しか目に映りません。 ここに住んでいる人の思いも知らず・・・・・・ 村はモノトーンに沈んでゆきます。 |
知らない間に バイク乗りには かなり危ない状況に なっていたようです。 ここでこんな雪なら もと来た峠は もっと降りつづけているでしょう。 このまま 深見峠を越えられるかなぁ? もう視界は真っ白で 前が見にくくなっています。 急いで 帰らなくっちゃ! |
振り向いてみれば 北村の集落は 雪に煙って見えなくなるところでした。 今日は貴重な体験をしました。 雪の日 バイクで来るのは 多分もうないでしょう。 雪の降る日は 暖かい。 死んだばあちゃんが 言ってました。 ほんとうだなぁ・・・・ |
帰りは来た道を通らず 回り道をして 標高の低い道を通りました。 日吉町〜R9号山陰道〜園部〜亀岡〜高槻 と走りましたが 思ったより雪は少なく 吹雪もやんで 快適な走行でした。 現地で道路状況を教えてくださった役場の職員の方 萱葺き集落のおじいちゃん カモノセのマスター 皆さんからよいアドバイスをいただき おかげで無事帰れました。 今回も人に助けられた雪道散歩でした。 今日出会った人みんなに感謝いたします。 |