カブに乗り続ける理由

ウチにカブが来た経緯は、カブとカブラと同居人で少し書きましたが なぜ乗り続けているのか 私なりに書いてみたいと思います。

私の場合 他のカブマニアの方々とは違い カブが好きで乗り始めたわけではなく ロングツーリングをするために選んだ あくまでも実用本位の選択なのです。

 このバイクのマニアの大半は カスタム派が多数を占めます。
2〜3年前 私のようなツーリングメインの者は 異端も異端 端っこの方のごく一部だったと思います。

よく言われるのは 「こんなので よく長距離走りますねー」 といわれます。
同じカブ乗りにも こんなことを言う人がいます。多分この人は 自分の乗っているカブが いかにすごいかを知らないんでしょうね。

長距離やったら もっと大きいバイクやろ?とおっしゃる方も多いですが カブでも楽しみながら走ると 結構距離を走ってしまうものです。

楽しみながら走る・・・
そう、これがキーワードです。
前に誰かに 聞かれました。「そんなに走るのは 何かの記録を狙ってません?」
最近は 私より距離を走る方が 多数いらっしゃいますから もう言われなくなりましたが
以前は あきれられたり 怖がられたり 普通人扱いされませんでした。
 距離の数字だけ見ていたら そう感じられるかもしれませんが 本人はツーリング中 本当に楽しんでいます。

沢山走ってえらいと思ってる?>
そんなことは 決して思ってません。
「カブというバイクは ゆっくり走ってこそ 楽しいんだよ」と 教えてくださる先輩方もいらっしゃいます。
確かに その言葉のとおりだと思います。 ゆったりのんびり走るには これほど適した乗り物は なかなかありません。
しかし 各人各様それぞれ 人には自分にあったペースと 走る量があるのです。
私には この距離とスピードが 一番ゆっくりと景色を楽しめるのです。

大型バイクに乗ってる友人に 「今日〜km走ってきたよ」といっても
「ああ そう」で終るんですけど 普段原付に乗ってて遠出しない人には なんかすごい苦行に見えるみたいですね。

楽しみ方は千差万別 人それぞれでいいと思うのです。

カブでツーリングするのは とても楽しいです。
レポを読んでいただいて そう感じてもらえたら 本当に嬉しいんですけど なかなか伝わりません。
ツーリングというのは 結局は自己完結型の楽しみなのかもしれません。


ツーリングに慣れてくると 自分にとっての理想のツーリングバイク像が見えてきます。
私のとっての理想のツーリングバイクとは・・・・
1、機構がシンプル 
2、耐久性に優れている 
3、故障しても修理しやすい
4、取り回しが良い
5、ディユアルパーパス(オンオフ両方というやつですわ)
6、積載性が高い
7、航続距離が長い
8、軽くてどこでも停められる。
9、長距離走っても疲れにくい

私にとって これに一番近いのは ヤマハセローに代表するような トレッキングバイクなのですが カブ90はこれに次ぐものです。
セローよりカブが優れている点は 取り回し 軽い 積載性 耐久性 疲れにくい 考えたら結構ありますねえ。

逆にセローの有利な点は やはり高速が使える機動力 いざというときのパワー、オフロードで強い 航続距離 軽二輪ですから当たり前なんですけど 行動範囲はカブの二倍くらいはありそうです。これは私にとっては 何にもまして魅力です。

・・・・と実用ばかり並べていますが、カブに乗り始めて ツーリングの新しい楽しみ方をみつけました。

バイク乗りといえば 暴走族のイメージが強いのか 旅行先でもウチでも 怖がられたり 嫌われたりされがちだったのですが カブに乗って旅行していると 全く違う接し方をされることが多くなりました。

出先で おばあちゃんやおじいちゃんに 道を尋ねても自分の孫のように 話しかけられたり 私のカブを眺めて質問を受けたりして 道行く人の視線が温かいのを感じます。

ためしに 農作業をしているおばあちゃんに すれ違いざま 頭を下げて挨拶すると 大抵は向こうもニコニコしながら ぺこっと頭を下げてくれる方が多いです。

面白いことに おまわりさんの検問に出くわしても ご苦労様です なんて声をかけられることもありました。 これにはさすがに ちょっと驚きましたけどね。

島原では 行商のおばあちゃんと並んで座って ピーナツ豆腐をご馳走になりました。
このおばあちゃんは 私を自分の孫のように話しかけてくださいました。

考えたら カブというのは 農家にとっては日常の道具です。
大抵 納屋に普通に仕舞ってある 自転車のような存在なのです。
じいちゃんが 田んぼに見回りに行く足なのです。

私のツーリングスタイルが 最近は観光地よりも 普通の街を巡る旅に変化しているからか 特に地元の人と話す機会が増えました。
大きいバイクで行く時は 殆ど人と話すことはなかったけど カブ旅行するようになってから 人と話す機会が増えました。

カブに乗り始めてから 私のツーリングスタイルが 今まで以上に深く思いどうりに変化してゆきました。私の旅行の原点は 街歩きです。
カブは 街歩きへでる為の足代わり そしてそこへ行くまでの道程の楽しみを提供してくれる頼もしい存在です。

ブロスツーリング、しばらくは このスタイルで行くと思います。
ほかに 理想のツーリングバイクが見つかるまでは カブに乗り続けると思います。

でも案外 ツーリングの足以外の魅力も カブには感じ始めていますので もしかしたら一生乗り続けるかもしれません。 
2004.04.16  了

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