酒天童子 ミステリーツーリングU 酒天童子は妖怪か?
前回 茨木童子を訪ねるツーリングを行いましたが やっぱり一番メジャーな兄貴分の
酒天童子を訪ねるにいたりました。しかし鬼を訪ねるはずが 脱線してしまって スノートレッキングになってしまいました。
朝6時半 高槻の自宅を出発しました。日曜日なので道は空いています。ダラダラといないち(R171)を大阪方面へ 桜の咲く前のこの時期の朝は やはり寒く亀岡へ抜ける枚方亀岡線は 霜が降りていました。信じられません。先日ハンドルカバーを外したのですが まだ付けていても良かったかなと 悔やまれました。
たまらず 道の駅ガレリアへ逃げ込んで しばしの暖をとる事にしました。〜7時半。
ここでCB400SFの京都のライダーさんと しばし談笑。そして20分ほどして 出発しました。寒さのため(道路標示は0℃!)速度を出さず したがってCBさんも福知山までご一緒でした。(ゆっくり走ってくれた?)8時50分頃。予定より早く着いたので 今日は 城ノ崎くらいまでなら 行けるかなーと 漠然と計算していました。

その時 反対車線の道路に 黒い大きなものが倒れているのが 目にはいりました。イヌかな?近づくと もっともっとおおきい生き物です。”人間?”一瞬ヒヤッとしましたが 若い鹿でした(角がありません)こんな街中で こんなもんいるのか?と驚きました。私のカブが こんなのとぶつかったら 大事故だろうなあ。 この頃ツーリングに来ると 必ず 車に轢かれた野生動物を目撃します。タヌキ キツネ イタチ リス しかし鹿はさすがに初めてでした。

丹後半島へいかれるCBさんと別れて 私はR175号で北行き大江町へ ここで道を間違えて そのまま舞鶴市の手前まで 行ってしまいました。ここからどんどん遅れていきました。往復30分のロスでしたが まっいいか。一番の目的は 鬼の探訪ですから
他の事は 後回しです。
まず 大江町の元伊勢神宮へお参りしました。外宮も内宮もあるここは 猿田彦神社も 五十鈴川も 天岩戸も 一通り揃っていて 今のお伊勢さんより 古いのかな?と思われました。まさに 鬼の国にはいる前に 無事を祈って神様に祈願するところなのでしょうかね?
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大江山の入口に鬼の交流博物館があります。これはモニュメントで 館内は世界中の 鬼の資料と 鬼学の情報発信基地になっています。もちろん今回の目的の 酒天童子の資料も詳しく展示されてありました。とても面白く 私はたいへん気に入りました。ここの鬼を見ていると 大人のユーモアが感じられて楽しく 時間も忘れて見入ってしまいました。去年 由布院の空想の森美術館で 似たようなものを見ましたが こちらの方が明るくて 暗さが全然ありません。(鬼に対する愛情が感じられます)
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 酒天童子は源頼光に 酒を飲まされて酔いつぶれて 神通力を失い 討ち取られてしまいます。このエピソードをもとに 「鬼ころし」という名前の酒が 江戸時代に生まれました。もともとは 辛口の安物の酒 の意味だったそうです。今は鬼も酔いつぶれる 美味しい強い酒の意味で使われていて 全国に沢山ありますね。
見学後、博物館の 職員さんに聞いて 鬼の本拠 千丈ヶ嶽八合目の 鬼嶽稲荷の場所と 現在の状況を聞いてみると バイクなら雪はあるが 上までどうにかいけるだろうという 返事をいただきました。ついでに一番近い ガソリンスタンドの場所も お聞きしました。この時点で リザーブ一歩手前ぐらいでした。うかつでした。
とりあえず 上へ向かいます。
       
こんなもん? まだまだ えっ! うそっ
はじめは物珍しさも手伝って 鼻歌まじりでした。しかし 上がるにしたがって 雪は深くなる一方で 次第に冷や汗がびっしょり。わだちはあるのですが その上にまた雪が積もったらしくて それがシャーベット状になって道を塞いでいます。
場所によっては、ステップがつっかえて 進みません。すでに 2輪2足歩行もあきらめて ギアを入れて押し歩きをしていますが 後輪は空しくから廻りするばかりで なかなか進んでくれません。
靴の中は雪まみれ レッグシールドは雪がこすれてガリガリいいっぱなし。カブラカバーも傷だらけです。

・・でも私はというと いっこうに緊張感がありません。にこにこと笑いながら 何とか雪のない場所まで 押していきます。凍結路面は怖いですが そうでなければカブなら なんとかなりそうです。カブなら自転車の感覚です。
雪の途切れる場所と 雪が道路一面に積もっている場所が 交互に続いていて何とかラッセルして 押し続けていれば そのうち何とかなりそうです! あと500メートルというカンバンが出ました。最後の雪のやまは 凄くてこずりましたが もうそこに神社が見えています。カブラを置いて歩いても良かったのですが せっかくここまで来たのだから カブラにもお参りさせないといけません(へんですか?) 
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鬼嶽稲荷にやっと到着しました。この山はもともと 古い山岳宗教があった場所で その人たちが 都びとによって鬼と呼ばれたのではないでしょうか?酒天童子は 自分の屋敷で 都から来た討伐隊にだまし討ちにあって 討ち取られてしまいます。だます方は鬼ではなく 人間というのが 切ないです。

しばらく休んでいると 何度か女性の話し声がして 振り返りましたが 私の他に人はいません。(当たり前です) 気のせいかな?とかまわず写真を撮り続けていると 突然気分が悪くなって 頭がぼうっとして 頭がふらふらして しばらく動けませんでした。こんなことは初めてでした。明るい昼間なので 怖くはなかったですが 不思議な体験でした。
その後、気を取り直して 帰る支度をしました。 
←カーソル ここで重大なことにやっと気がつきました。帰りも今来た同じ道を 通らなければならないのです。下りのほうが危険な事は 少し考えれば 分かることでした。楽しかった上りに比べ 帰りは緊張しました。

しかし 杞憂は無用のことでした。さっき頑張って押してきて 自分でつけたわだちが 道になっていたのです。スリップだけには気をつけて そろそろと走ります。結果的に 行きも帰りもニコニコで 楽しかったです。

でもガソリンがあとわずかなことに やっと気がつきました。(一難さって、また一難)
この時すでに ガソリンタンクがリザーブになっています。上りは そろそろとゆっくり上がって 下りはエンジンをとめて クラッチを切ってエコランで進みます。(カブにもクラッチはあるのです)私は 運転が荒いのか いつも燃費が悪く すぐにガソリンがなくなってしまいます。やっと宮津の ガソリンスタンドにたどり着いた時は タンクはほぼ空っぽでした(心臓に悪いです)
メシ食って(まずかった)天橋立へ向かいました。(鬼の国から神の国へ)
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カブなら 天橋立もフリーパスで通れます。自動車や自動二輪は 通ることが出来ません。でもここまでこないと この気持ちよさは 実感できません。橋立では暖かくて さっきまでの雪が夢のようでした。暑くて上着を脱いでしまいました。
遅くなるので この時点で帰ることにしました。城の崎や 湯村温泉や 伊根の舟屋は 又今度にします。帰りはR178>R27>R173>R372>R9>枚方亀岡線>自宅。で帰りました。〜PM5:30 帰りもR173でタヌキが車に轢かれて死んでました。
この計算で行くと 何処もよらなければ 出石くらいなら往復できるでしょう。城ノ崎でギリギリくらいかな?又、挑戦しましょう。
さあ 親父の飯の支度をしてやらないと・・(炊事当番です)
 鬼の交流博物館は たいへん楽しかったです。時間の経つのも忘れて 見入ってしまいました。ここへ来て感じたのは、酒天童子も茨木童子も 妖怪ではなく やっぱり人間だったのではないでしょうか。
鬼にしてしまったのは 権力者の都合だったのでしょう。
酒天童子が 源頼光にだまし討ちで 討ち取られる時 こう言ったそうです。
「鬼に横道なし」 意味は ”鬼はだましうちなどしない”という意味です。
茨木童子は この時一人だけ逃げ延びて 助かったそうで、その後は・・・
まだ そこまで調べてません。後に討ち取られたというのを 読んだことがありますが、詳しいことはまだ 調査中です(又 調べておきます)
またしても帰りのR173号で ガソリンがなくなって R9号までヒヤヒヤもんで走りました。学習効果がまったくありません。自分のことながら あきれております(でも 懲りずに又行くでしょう)
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