大阪寿司  吉野寿司



20年くらい前 関西で寿司といえば 握りずしではなく 箱寿司やさお物などの寿司でした。

なかでも箱寿司は 大阪寿司ともいわれ 大阪を代表する ポピュラーなものでした。

しかし今は 本格的な大阪寿司を作る店は 激減してしまい 数えるほどしかありません。

握り寿司全盛の昨今 古きよき味の伝承は難しいようです。


大阪船場の吉野寿司は 大阪寿司の草分けとも言われ 家庭で作られていた押し寿司を 小さな会席料理とも言われる位の商品に 押し上げた立役者でもあります。

即席的なファーストフードともいえる握り寿司にくらべ 時間と手間をかけ 工夫を凝らした大阪寿司は 酢の物(鯛寿司) 焼き物(穴子寿司) 蒸し物(海老と玉子のこけら寿司) 煮物(間に挟まれた椎茸の煮物)全てを揃え 二寸六分の懐石とも呼ばれています。


横から見ると 厚み(高さ)が分ります。

どの具材もいたみにくいものばかり 火が通っていたり 酢でしっかりしめていたりしていて 握りずしのように足の早いものは一切使っていません。
ご飯を包丁でしっかり「切る」寿司ですが エッジの立った側面と カラフルな色の具材は 美しい顔を持っています。



こけら寿司
白身魚のすり身と玉子をあわせ しっかりと焼き上げた玉子焼きは 甘すぎずしっかり身がつまり ボリュームが有ります。

酢じめの鯛や 焼き穴子もおいしいですが 一番美味しいのは台になっている 寿司飯です。

あっさりと優しい味は どのネタともよくあい 絶妙の上手さを持っています。

まるで上のネタは ご飯の引き立て役でもあるかのようです。

大阪の伝統の味をしっかり味わって 満足な昼ごはんでした。
ランチにしたら ちょっと予算オーバーでしたが たまにはこんなランチもいいかな?
2006/10 現在 2500円 


吉野寿司
大阪市中央区淡路町3-4-14

TEL 06-6231-7181

営業時間
11:00〜21:00

定休日
土・日・祝

ここのほか大阪には 心斎橋筋の大丸前に「福寿司」というお店もあって こちらはもう少しリーズナブルな値段で 本格的な大阪寿司が味わえます。

私の子供のころは 近所の市場や仕出屋さんなどあちこちで 箱寿司を出してるところがあり 珍しい食べものではなく お稲荷さん(稲荷寿司)や巻き寿司とセットで 普通に食べられました。

また古くからの京都の店では はもを焼いてこれをほぐし甘辛く味付けし 穴子の蒲焼の替わりに使います。

こちらも京都人の懐かしい味ですが もう作っているところを殆どみません。

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