網膜剥離 (もうまくはくり)

網膜剥離という病気を ご存知だろうか。実は私が4年前に患っている。ボクサーの辰吉丈一郎が 一時引退に追い込まれた あの病気である。彼の場合は 顔面(特に目)を強打した為によるものだという。眼球の 一番奥にある網膜が はがれて視力を失い 失明してしまう恐ろしい病気である。

私の場合は 人より網膜が弱く はがれやすく 年齢も手伝って 普通よりずっと早く 剥がれてしまったらしい。しかしこの病気は 10代や20代にも かかる人はいて 一番の原因は体質らしいということだった。実際 私の入院中も同室には 大学生や中学生もいて 様々だったが 年齢と共に網膜剥離になる可能性が 高くなるというのが 医者の説明だった。

症状を説明すると 私の場合は突然だった。朝起きてみると 右目の視界が 真っ暗になっていた。 いや正確に言うと 少しだけ見えていて 薄目を開けたとき 真ん中を横一文字にだけ 光が見えているような状態を 想像していただけるだろうか。分かり易く説明すると あなたの右手で右の目を覆って 指の隙間から 世間を覗いているような状態をやっていただくと 少しは分かっていただけるだろうか?
(断っておくが 左目は正常である)
この状態を 最初は何かの間違いだと思った。しばらくしたら 直るのではないかと思い 3〜4時間そのままでいた。なんせ痛くも痒くもないので 緊迫感がない。しかし 事態はいっこうに改善しない。そして考えているうちに これはもしかしたら エライ事ではないかと やっと気がついた。それからは パニックだった。急いでかかりつけの病院に行くと ここでは手に負えないと言われ 今の大学病院を紹介された。すぐ行って診てもらうと 即入院を言い渡された。 いったん家に帰って入院支度をしたかったけれど 絶対安静なので 親父に頼んで支度をしてもらった。

最初の手術は 恐ろしくなかった。なんせ 肝心の目が見えないので 手術中のメスもピンセットも見えない。それに まな板の鯉状態だったので 開き直っていた。今が一番悪い状態なので(失明状態)これ以上悪くなることはない。少しでも 見えるようになれば もうけものぐらいに思っていた。それは結構大手術だったようで 2時間かかった。

手術は一応成功して 都合一ヶ月くらいで退院した。少し視力が落ちたが 何とか直ったようだった。
しかし 一年位して再手術をしなければ ならなくなった。手術で目を 必要以上にいじった為 白内障が出た。白内障といわれて 年寄りみたいで嫌だったが 老人性白内障とは違うと説明された(あたりまえのことだけど)

この時の手術は 前と違って怖かった。メスもピンセットも 医者の顔も(なぜか笑っていた)全部見えて怖かった。メスが 目ん玉に飛び込む前までは 見えていた。ホラー映画を見ているようで なかなか貴重な体験だった。

・・で今年で4年目。 又調子が悪い。今度は すりガラスが目の中にあるようで 像がかすむ。今日医者へ行ってきたが 今度は即処置してもらった。悪い所をレーザーで焼いてもらった。やれやれである。

私は結構 脳天気なツーリングバカに 見えるかもしれない。でもここ何年かは いつも毎回 これが最後のツーリングかもしれないと思いながら 走っている。ほんとにそうなるかもしれない。だから少し 無理をしがちだと思う。今まで走らなかった 冬場も最近はツーリングするようになった。おかげで 新しい世界が開けたように思う。冬の阿蘇はなかなか美しくそして 張り詰めた空気は バイクじゃないと味わえないものだった。バイク乗りなら分かってもらえると思うが 皮膚感覚と 匂いだけは車ではなかなか分からないと思うが どうだろうか?自己満足と 笑われるかも知れないが。

網膜剥離だが これは誰もがなる病気ではない。ならない人は 沢山いて殆どの人が大丈夫なんだそうである。生まれつき 網膜の弱い人が 発症する可能性が高いという 程度のもんなのだそうである。もし心配なら 一度眼科で眼底検査をしてもらうことを お勧めする。

私の方だが 右目の方はお話したように 少し希望はあるものの 見通しは暗い。そして左目の方は こちらも 予防はしているものの 注意が必要で 右と同じように弱いのは 想像に難くない。左も発症すれば バイクはもうダメだろうと 自分では思っている。
くれぐれも目は大事にしてほしい。
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