四万十ぶらぶらV   2007.2.11

うーん 予想はしていたが やっぱり質素だよ。

生卵を使って 大好物の卵かけご飯を作ろうと思ったが 卵を茶碗にぶつけてみたら あろうことか ゆで卵だった。


女性お遍路さんと 朝ごはんを一緒にいただく。
細くて化粧っけのない感じの良い人だったが ちゃんとご飯をお替りしておられた。

歩き遍路はおなかがすくという。

道中 お気をつけて。
ユースを出てみると 隣のホテルのお客さんのお見送りに出くわした。
次々お迎えのバスが来て お客を乗せて出て行く。

バスは岡山や愛媛のバスだった。
ホテルマンもたいへんなんだな。
足摺岬まで行く。
抜けるような青空。

銅像は中浜万次郎(ジョン万次郎)
幕末に海難事故に遭い アメリカ船に助けられて アメリカに渡った人。

鎖国の日本では おいそれと日本に帰れず 維新後にやっと帰国できたという。
ここから先は歩きになる。

灯台の見える展望台は すぐそこ。
ただし 岬を回る遊歩道は もっと歩かなければならない。

大抵の観光客は 展望台まで歩けば その先には行かず引き返す。

私も今回は展望台までしかいかない。

展望台から。

遠くに見えるのが岬の灯台。
観光バスの一行と一緒になる。

海は穏やか 水平線の先には何がある。


岬めぐりの周遊道路は この先細い道になっていて 離合困難な場所もあった。

観光バスは岬を回らず 来た道を引き返す。

のんびりライダーは 当然周遊道路へ。
ここがバイク乗りの良いところ。

旅のスタイルもコースも全てカスタムなのだ。
目的地よりも 道中を楽しむスタイル。

海のすぐ近くまで行ってみる。
潮の香りがして 気持ちが良い。

普段海から遠いところに住んでいるので
時にはこうしていると 気分がリフレッシュされて
清々しい気持ちになる。

朝から海は穏やか 
もう春かな。

足摺岬を周って もう一度清水漁港へ。
ガソリン補給をしてから また四万十市へ向かうところ。


まだ朝が早く 陽が低い為 自分の影が伸びる様子が分る。

こんなチャンスはめったにないから 走りながらパチリ。

いつでもどこでもカメラは胸元に用意して 撮影の用意をする。

こうでなければ 臨場感は生まれない。

四万十市(旧中村市)の四万十川にかかる 通称赤橋。

美しい幾何学模様を幾つも描きながら 青空をバックにした 真っ赤な橋。

この風景 いつか夢に見そうだ。

金沢の片町の犀川にかかる橋に匹敵するくらい 印象的な橋だ。

中村の町はスルーして 町外れの四万十川にかかる 佐田の沈下橋を訪れる。

この橋は 四万十川に架かる沈下橋の中で 最大の橋。

殆ど下流で 海に近いのに 水はこんなにきれい。
まさに清流の名にふさわしい。

橋の上で昼寝を決め込もうと思ったが さすがに通行の邪魔になるので 川原に下りた。

大きな丸い川原の石がゴロゴロしていて 水の濁りの原因になる 土や砂が水辺に全く見られない。

抜けるような青空。
この綺麗な川辺では音がしない。ゆったり流れ波風もなく さらさらと流れている。

こんなに綺麗な川は見たことがない。
渓流域で綺麗な水なのは 当たり前だが ここは川幅の広い中下流域なのだ

普通の関西の川なら 汚れやゴミや土や砂が見られるし 匂いがするし濁りも見られるのに この川にはそのどれも見られないし 嫌なにおいが全くしない。

子供のころから 琵琶湖淀川水系で育ってきた私には 信じられない光景だった。
淀川では 藻や泥の腐った匂いが 私にとってのふるさとの川の匂いなのだ。

今の淀川は劇的に綺麗になったほうなのだが。

四万十川とは あまりに違いすぎる。

三里の沈下橋
車の幅ギリギリの幅しかない。
それでも地元の車は 器用に渡ってゆく。


高瀬橋のところで 国土交通省のアンケート調査の人に出会った。
四万十川沿いの 国道441についてのアンケート調査だった。

この道に対する通行調査 要望などを調べているようだ。

この人は この日一日 通行量の少ない この橋のたもとに立って こうして仕事をしていたのだろうか?
ほとんどの車の人は 停まらず行ってしまうだろうに・・・・
勿論 必要な仕事だとは思うが。

勝間橋
三本足が印象的な橋。


川原に降りられるので 橋の裏側を覗いて見る。

橋の幅はこんなに狭い。
水の多い時期は 下を見ると怖くないんだろうか。

もともと車の為にある橋ではないから 幅が狭いのはしょうがない。

我々バイク乗りだって 遠慮しながら渡ろう。

四万十川は 渡るための川なんだ。
この川の別名は 「渡川」という。
あおぞら うきぐも あおぞら 一人きり

カーブミラーに写った自分の姿を見て やっと旅に出た実感がわいた。

俺はここにいるぞ。

川と橋と道とバイク

さあ ここまでおいで。
パソコンの前の旅人たち。

一番美しい姿をしていると思った岩間橋

周りと溶け込んでいてとても美しい。

こんなに川が綺麗な色をしていなかったら きっとこの橋の美しさにも気がつかなかっただろう。

やはり主役は四万十川なのだ。

岩間橋へのアプローチ。

空を見上げると 目に痛い位の青空。

他のシーズンには見られない色をしている。

雨男にとっては 貴重な一枚なのだ。

岩間橋
川風が心地よい。

この橋の向こうの道は 対岸に沿って続いている川沿いの道。

けして山を越える道ではない。

沈下橋の多くは 川に沿った道に続いていて 主要道ではない。地元の人の生活に密着した生活道路なのだ。

この橋でも 国土交通省のアンケートの人がいて 同じアンケートに協力した。
のんびり アンケートに答えられるのは 沈下橋ごっこをしている私くらいなものだろう。
ひがな一日 川をみつめて 日向ぼっこしながらするアルバイトって 素敵だ。

だってこの美しい岩間橋なら 一日くらいここに居てみたいじゃないか。

津大橋
このあたりが四万十川の真ん中辺り。
この川ははるか上流 天狗高原の近くまで続いている。

川の近くの食堂兼雑貨やで ニッキ水を買う。
甘くてピリッと辛い不思議な飲み物。

一気飲みすると 舌が痺れた。

眠気覚ましにはちょうどいい。

ゆっくり走っていると眠くなるのが 私のクセなのだ。

この沈下橋はさらに大きな橋の上から見える橋。
良い顔をしている。

場所は江川崎の手前の 西土佐(地名)のあたり。

ここからは国道441を離れ 国道381にスイッチして大正〜窪川へ向かう。

このあたりは もう四万十市ではなく 四万十町という。中村も大正も 窪川も 四万十川が誇りなのだ。


東へ東へ
海沿いの久礼の町に到着した。

ここは土佐の一本釣りのモデルになった町だと聞いた。
そういえば 映画「土佐の一本釣り」で出てきた 「ちらみせさん」という祠はどこにあるのだろう?

大漁祈願の しかも女性が祈願する神様らしい。

干された鰯のよい匂いがして おなかがさらに減った。
がまんできないよ。。

この賑わいは 午後2時のもの。
お客さんがいっぱいいてとても賑やか。

久礼の大正市場は 由緒正しい庶民の市場。
とおりのまん真ん中にある 市場食堂 浜ちゃんでは 美味い鰹が食べられる。

先客が多くて かなり待たされたけど お目当ての鰹にありつけた。
鰹どんぶり
たたきや定食もあったけれど 私の好物は 生の鰹。
時期が早すぎて 脂ののりや風味はイマイチだったが もちもちした鰹の切り身はなかなかのものだった。
私は生ならマグロより鰹のほうがずっと好き。

山芋とろろと鰹の切り身が 紅白になって おめでたい丼だ。

山盛りのワサビの塊を食べてしまって 目から火が出るは 鼻が痛いは 涙が止まらないわで大変な目にあったが おおむね鰹は美味しかった。
向かいのテーブルのおねえちゃん 笑いすぎ。

腹が膨れば運動をしようとばかり 横波黒潮ラインという 海沿いの断崖上のドライブコースを走る。

ただ悲しいかな YBRは原付2種 かっとぶというわけにはいかず 上り坂ではそれなりの速度でしか登れない。

頂上の駐車場に寄って見ると なにやらバイクの集団が固まっている。グループは2つ。

ひとつは暴走系のバイクの集団(15〜6人) もうひとつはやや離れたところにいる大型バイクの走り屋系(ローリング族っぽい)
バイクの集団(ツナギを着ている)

暴走系はその場で一斉に空ぶかししてやかましいことこのうえないし ローリングのほうもやんちゃそうだ。

巻き込まれてもつまらないので 早々に引き上げた。

高知の町に下りてきた。
ここも路面電車の似合う町。

そろそろ陽が傾いてきて 電車の窓ガラスや架線がきらきら光ってとても綺麗。

もう少ししたら 町はオレンジ色に染まる。

夕陽の色は赤。
寒い冬の日でも暖かそうな光が溢れて 何故か見ていて気持ちが和んだ。

ここここ 高知ユースへ行く交差点。
円行寺口に向かう道

ここを北に向かって左折すれば 高知ユースにいける
ここからバイクで5分くらいか。

一年ぶりに懐かしい高知ユースの駐輪場にたどり着くと 先客が3台。
ドラッグスター(ヤマハ)に BMWのGS(1100?) にスズキの油冷の1400(GSX) どれも大型バイクのようで YBRとは ゼロがひと桁多い排気量のバイクばかり。

どこに行っても大型バイクばかり
小型バイクは私くらいか。

ちっちゃいのでここまで来ても 別に無茶やってるわけじゃないんだけれど・・・・

宿に着くとパルサーさんから 携帯メールが入っていた。

「ひろめ市場でお待ちしています」

へー 昨日京都でオフ会に参加して 腹いっぱい大盛りランチを食べて居られるはずが 今日は下道を京都から岡山まで走って 宇高フェリー〜高知を走ってこられたらしい。

夜通し走って400kmとはまた剛毅な。
ちょっと驚いた。
仲間内では サプライズがはやっているが 今日はやられました。

・・・・約束どおり現れたパルサー氏
無茶したらアルコールの周りが早いですよ。
寝不足は事故の元 悪酔いの元

でもとりあえず こんなところまで会いにきてくれたことに 乾杯!

旅先の出会いはまた格別のこと。

ホームラン貝と 鰹の酒盗(塩辛)

巻貝は爪楊枝で隙間から身をほじって食べる。

ビールは土佐の黒潮ビールという地ビール。

時期が早すぎたのか 鰹も魚もいまいち旨みが足りないように思ったが 日本酒だけは美味しい時期にめぐり合えたようだ。

良いことと悪いことは 順番にやって来る。

今日は かなり良い日なので 明日かそれとも帰ってからか 良くない日の順番が来るだろう。
用心しよう。

実は高知ユースでは 夕飯を予約していたのだが パルサー氏からの入電で ひろめ市場での晩酌を約束してしまった。

晩飯を断ることは出来ないし 食べていけば酒がうまくない。

そこでユースの方にお願いして 夕飯をパックしてもらい パルサー氏に持っていくことにした。

食べものを無駄にすることにならなくて 良かったと思った。
高知ユースのスタッフに感謝いたします。

パルサー氏はビジネスホテル泊ということで 夜半彼とは別れて ユースに戻った。

彼とは明日は一緒に走らない。
我が儘な私を よく知っているので 一人にしてくれたようだ。

駐輪場で今日の走行メーターをチェック。
家を出てからトリップメーターは 積算615kmになっていた。

今日もあんまり距離が延びてないようだ。

まあいいか のんびりいきましょ。

初日 翌日 翌翌日 最終日

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