ぶらり山陽路 しまなみ海道〜別府〜阿蘇 V  2006/1/26

別府ユースの朝。
なぜか手足の関節が痛い。腰痛持ちじゃないはずなのですが 腰も痛くて 起き上がるのが ひどく辛い。
夕べ飲んだせいか 食欲もない。

きれいなおねえさんが 朝早くから 作ってくれたお味噌汁とご飯だったので 普段なら最高の朝食になるはずなのだが 今朝は気分がすぐれず ブルーな気分のまま。

でも食べなければ 力が出ないので 残さずいただく。
朝の会話は楽しい。普段の生活は 早朝出勤で 黙って一人きりの朝食なので こんな時間はなにより楽しかった。


今日は九州全域が快晴ということで 保養ランド行きはキャンセルして このまま 阿蘇まで走りその後の行く先は お天気次第で決めていこうと思います。

宿を引き払う為 荷造りをします。

荷掛フックは無くしやすいので 荷物を降ろした時は タイラップでまとめています。

今回は荷物も少なく 荷造りは1分で終りましたが・・・・・


昨日サイドカバーを どこかへ落としてしまったようです。
デジカメの画像を調べて見ると 大洲まではまだ無事でした。
フェリーの中の画像を見ると もうなくなっています。

四国まで捜しに行くこともできず かといってこのままにしておく訳にもいかず、なんとか応急手当をしなければなりません。

 せめて防水対策と バッテリーの飛び出し防止をしなければ 走行不能に落ちいってしまいかねません。

そこで 100均で密封容器と工作ナイフを購入し 手持ちのガムテープを使って 緊急のバッテリーカバーをこしらえました。

ギリギリのオーバーサイズにしたおかげで もし外れても キックペダルに当たって留まるし 足にも当たるので 失くしにくくなりました。
(サイドカバーは 即座にいつもの三木サイクルさんに車体番号を伝えて 電話注文を入れておきました)

帰るまで慎重に走行すれば 大丈夫だと思います。

応急修理を済ませたら すぐ出発、別府市内で 早くからやっていたバイク屋で オイル交換をお願いしてから やまなみハイウェイを 上がってゆきます。

地元の人の言い伝えでは 冬場 海から山側を眺めて 「鶴見岳の手前にそびえる扇山のふちが 白くなっていたら やまなみハイウェイの由布峠は凍結しているので 気をつけるように」

今日は 扇山も全部真っ黒なので 凍結の心配はないようです。

途中 道の端に雪を見かけ 凍結の跡も見られましたが 無事安全に通過できました。

一年ぶりの由布院の駅。
垢抜けた駅舎 駅前は人力車などがあって 観光色が強く 私はあまり好きではありません。

この地に元からあった 伝統的な風景だとしたらいいのですが よそから持ってきたもののような匂いがして 違和感があるのです。


先年 断念した水分峠も 凍結跡はみられず 安全に通行できましたが とにかく寒い。

温度計を確認してみると −7℃ 
寒いはずです。

ガソリンスタンドで水を撒いたら すぐに凍ってしまいました。

飯田高原(はんだこうげん) 長者原(ちょうじゃばる)幾つかの峠を越えて 難所に近づいていきます。

道路は融雪剤のおかげで 凍ってはいないけれど とにかく寒い 道の脇に見える雪は 足で踏んでみると 堅く締まった氷のようになっています。

風がないのが せめてもの救い。

スピードを出せば 自分自身が風となって 寒さは倍増してゆきます。

通行車両は殆どなく 対向車も後続車も 全て気にすることなく ゆっくりと雪の九重連山を眺めながら そろそろと走り抜けます。

やけに喉が渇きました。

やまなみハイウェイ最難所 牧の戸峠 標高1320m  
最高所までは もう少し
融雪剤が乾いて 道路に白く染みています。

峠の駐車場には 数台の自動車が停まっていました。

私が道路端に停車していると 「なんだ こいつ?」というような怪訝な顔をして ドライバーが視線を送ってきます。

まさかこんなところまで 小さな原付が登ってくるなんて 思っていないのでしょう。

瀬の本高原にある三愛レストハウス
5月の連休には毎年ハーレーミーティングが開催されます。

ここでひとやすみ。
なぜか トイレが近くなって 停まるたびにトイレに駆け込むことになります。

2階のレストランより 1階奥の蕎麦屋のほうが 私は好きです。

お土産は このあたりのものは 大抵揃います。
キャンプ場 レンタルスキーもあって 便利なレストハウスです。

誰かが作ったミニ雪ダルマ 溶ける様子もなく しっかりと 人を待っています。

とうとう阿蘇の外輪山のふちまで走ってきました。
このふちから下を覗くと 洗面器の底の 雄大な阿蘇の町が見えてきます。

そして正面には カルデラ内に そびえ立つ阿蘇連山の 中岳 根古岳 高岳 杵島岳 烏帽子岳 が並んだ姿が お釈迦様の寝姿に見えるという 大観望というところまできました。

ふちの一部大観望の途中から 隣のふちを覗いています。左側は コーヒーカップのふち 右側に崖がまっすぐ落ちて行き 下まで落ちれば 阿蘇盆地です。

阿蘇の町は かつて噴火による爆発で ごっそり吹き飛ばされた場所に出来た穴の部分に出来た盆地の町なのです。

その後 火山活動はさらに続き 盆地の真ん中の部分に 又火山が出来て それが阿蘇連山なのです。
活火山が中岳(火口があります)残りは今のところ休火山です。

この写真は 火口ではなく 盆地のふちの一部。
いかに阿蘇が大きいか 想像できるでしょう。

大観望展望台まで登ってきましたが 残念ながら 霞がかかって視界が悪く 釈迦の寝姿は見られませんでした。

気温上昇により 雪が溶けて水蒸気となり 霞となったようで 視界を奪ってしまいました。

残念です。

大観望を逆落としに下り R212沿いの食堂 川瀬さんに着きました。
今日は全く食欲がありませんが 皆さんにここを紹介したくって やって来ました。

隣にも 同じような食堂があって そこは観光客で 一杯ですが ここは地元っぽい感じで 私はいつもこちらへ入ります。


ここのメインは お漬物。
オバちゃんたちが 心を込めて漬け込んだ 菜っ葉や根菜が いっぱい置いてあります。

自然な味や風味で こちらへ来ると いつも楽しみにしています。

今日もいつもと同じものをオーダーしてしまいました。
「だご汁とたかなめしのセット」 900円 2006/1現在
だご汁は 大きなどんぶりに すりきりいっぱい。
ここのはすいとん式で 小麦粉を団子にしたものがごろごろ入っています。あとは里芋に 豚肉 コンニャク 人参 豆腐 ニラ ごぼう 等々 生姜の絞り汁がアクセントになった味噌味
暖かくて うんまいです!

たかなめしも カレー皿にめいっぱい。炒めて唐辛子でアクセントをつけた炒め高菜を 炊き立てのご飯に 混ぜ合わせてあります。
コクがあってこっちも うんまい!
煮物に おひたしに 冷奴 そして漬物

見るだけで おなか一杯になりました。
具合が悪く とても食べられないので だご汁だけなんとかいただいて おばちゃんに事情を話して残りをテイクアウトさせていただきました。
(オバちゃんすいません)

おばちゃんが最後に言われた言葉・・・・・「暖かくなったら また来なさい」
はい 必ずまた 来ます  どうもありがとう。。

約束したので また来れる。
またおばちゃんの高菜漬けを 食べに来れる。

おばちゃんは 100円のお釣と2個の甘露あめを握らしてくれて
「気をつけてかえりなさい」
・・・・・・・「はい・・・・」・・・・・・・

元気なもんで 気がつかなかったんですが 額に手をやると 熱が出ていました。
節々が痛かったのも 食欲がなかったのも 腰が痛かったのも 風邪のせいだったのです。

阿蘇の町のニコニコドーで 感冒薬を買って飲みました。

予定を変更して 九州縦断はやめて もと来たやまなみハイウェイを戻って 別府から今日帰ろうと思います。
このとき 午後1時 

昼から陽が出て 少し暖かくなり 余裕が出てきましたが ここでスピードアップすると 濡れた路面で滑るかもしれないので やはり帰りも慎重に走ります。
右側の煙(水蒸気?)は 九重山のあたりから出ています。

今回はハンターより 私のほうがへばってしまいました。
とはいえ ハンターも 絶好調とはいえません。

夏の時は オーバーヒートで苦しみましたが 今度はオーバークールで ふけが悪くなって スピードが出ません。

カブの時のように オールシーズンとはいかないようです。

水分峠に戻ってきました。

由布峠から湯布院の町を振り返ったところ。
ここの景色 北海道みたいで好きです。

フェリー港に 到着したのが 16:00ジャスト

今まさに船が出るところ こんどはさすがに四国のときのように 船は待ってくれませんでした。

しかたなく 次の船が出るまでの3時間 待つことになります。

フェリー港から一番近い温泉が かっぱの湯。

風邪をひいている時に 風呂に入ってはいけないのですが 長湯しなければ いいとも聞きます。

思い切って 風呂に入って身体を温め その後保温しながら 休憩所でうたた寝していると 汗が沢山出てきました。

薬が効いてきたようです。

18時には船に乗り込み 寝台のベットで寝ました。
今日もバイクは見ません。

この時期でも けっこうフェリーは自動車で埋まりましたが よく見ると 無人車が半分くらいを占めていました。
どうやら航送車両(売り物)のようです

昼間 阿蘇の食堂で包んでもらったたかなめし。
おばちゃんが気を利かしてくれて 梅干まで入っていました。

少し寝てから 夜中にいただきましたが 美味しかったです。
おばちゃん ありがとう。

一夜明けて 船は大阪南港に到着しました。
例によって バイクは最後に降ろされます。

だから排気ガスで充満している船倉には すぐに降りる気にはなれず ぐずぐずしていると 下船を促されました。

船倉に下りてみると 人の乗ったクルマは1台もなく あとは航送車両と 私のバイクだけ。

大阪の町に降り立つと あれ、 大阪って案外暖かいです。少なくとも寒くなくて 心配してた走りにくさもなく のんびり帰りました。

ただいま!  大阪〜尾道〜松山〜別府〜大阪
総走行距離 893km  冬なんで まあ こんなもんでしょ。ボチボチいきましょ。


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