ぶらりしまなみ山陽路〜別府 阿蘇 2006/1/24〜27

なんとなく 1週間休みが取れて さてどこへ行こうか。

冬のツーリングは 天候に左右されることが多く 出かけるタイミングが難しいですが
長期予報を気にしながら ネットを使ってアンテナを張っていると どうやら1月末の西日本は晴れの日が多いらしいことがわかりました。

とりあえず 2〜3日分の着替えを積んで 出かけることにしました。

西へ西へ 国道2号を西へ 少し寒いけれど 天気は快晴 気持ちのいいツーリング日和。

明石大橋まで来てしまいました。
淡路島に行ってみたいですが あちらへ渡ったら 原付は四国にも中国にも渡れず また戻ってしまうしかなく 旅が終ってしまうので 淡路島へ渡るのはやめにします。

もう少し西へ行ってしまいましょう。

そういえば 加古川には「にくてん」なる食べものがあるらしいことを思い出して 加古川市役所の商工課に 訪ねに行きました。

お聞きしてみると 「にくてん」は加古川ではなく高砂市が本場だとか。(もちろん加古川にも1軒あるらしいのですが。

そこで教えてもらったマップを頼りに 高砂市へ向かいました。

迷い迷って 高砂市をぐるぐる回って 県道や市道に迷い込んで いよいよわからず 思い切って入ったお好み焼きやさんでは どこも「にくてん」を知らないといわれ 仕方なく諦めて 先へ進むことにしました。(「にくてん」肉のてんぷらですか?」といわれました。)


どんどん走って しらない間に姫路市まできていました。
とあるお好み焼きやさんを見つけて 覗いてみると 入口にいたおじさんが 「ああ ここのガレージにバイクを入れなさい」と親切に入れてくれたので 感謝していると、おじさんはここの人ではなく ただのお客さんだったのです。

愉快なおじさんで 楽しくお店に引き入れてくれたので こんどはお店の人が 私とおじさんがツレだと思われました。


兵庫県といえど 端っこの姫路ですが ノリと突っ込みは充分関西ノリのようです。


席に座ってメニューを見ると やはり「にくてん」はありません。ダメもとで「にくてん」があるか聞いてみると 「ここに書いてあるん みんなにくてんでー」(原文まま)
私「へ?」どうやらお好み焼きのことを この地では「にくてん」と呼ぶようです。

とりあえず豚玉をお願いして 食べてみると 大阪のお好み焼きとは 違うものでした。

具に通常のキャベツ ネギ てんかす 豚 などのほかに ジャガイモのさいころ大に切ったものや コンニャクの細切れが入っています。

そういえば 神戸ではコンニャクとすじ肉がはいったものが定番だとか・・・

関西のお好み焼きやさんは 子供の駄菓子やさんと併設されたおでんやさんが 原点だとか聞いたことがあります。
おでんの具として ジャガイモとコンニャクをお好み焼に入れた人が にくてんを作り上げたのかも。
ソースは お多福ソースでした。この辺は もう広島の影響が強いようです。

あの甘いソースは 関西でも昔は 子供のタコせんべい(縁日や紙芝居屋さんで食べさせてくれたものです)や たこ焼きソースとして かつて食べられましたが 大人になってからは 甘すぎてお好み焼きソースとしては 使われていません。


にくてんが食べられたので 目的はひとつクリアしました。安心してローカル国道 R250号を流して R2へスイッチします。

道の駅 あいおいのペーロン城で ひとやすみ。
名物のお風呂にも入りたいところですが 湯冷めするといけないので ここはパス。


ここで今回の装備の紹介をしましょう。
下着は上下 機能下着 いわゆるババシャツとババモモヒキですが ピッタリとフィットしています。なんでも汗の水分を熱に変換して 暖めてくれるらしいです。
使用感は いつまでもさらっとしています。

その上に タートルネックのTシャツ(ヒートテック)と パンツはスエットパンツ アウターは上下防寒のジャケットとオーバーパンツ。顔はフリースの覆面。
靴下は厚手のスキー用 空気の層が逃げないように パンツのすそに重ねて巻き込みます。

今回の新兵器は つま先を冷やさないように このカイロを仕込みました。
心臓から一番遠い つま先を暖めることは 効果的な防寒になるし 心臓への負担も軽減されて 疲労緩和に有効だと思われます。

沢山重ね着しているように見えますが 上下とも下着を入れて3枚だけしか着ていません。
インナー + アウター + オーバーです。
空気の層が逃げないように 入口を塞ぎ つま先と手の指先を保温すれば かなり暖かいです。
あとは 自分の体に備わった体温維持機能をフルに活用することです。


姫路を越え 岡山を越え 倉敷 福山 どんどん走り とうとう尾道に着く頃には 夕方の6時を過ぎてしまいました。

尾道に着くと まずここを覗きます。いつも観光客で行列が出来ているラーメン屋 朱華園。
いつも入るタイミングを逃し まだ食べられないでいます。

今日は行列もなく ひっそりとして 街のラーメン屋さん然とした佇まいが素敵です。

店の前で ふわっとスープのたまらなく良い匂いがしました。いままでで 一番美味しそうな匂いがします。唾がわいてきて 空腹を刺激します。

そのとたん 絶対美味しいことを確信して 勇躍来店しました。
私の格言としては 「ラーメン屋とウナギ屋は 店外の匂いで入れ」です。
朱華園


冷えた身体に 暖かいスープは身体に染み渡ります。全国に名をはせるだけあって 堂々としたオリジナルラーメンです。

かなり昔の中国の匂いを残したラーメンのようです。(中華街っぽいです)

満足して 帰りに玄関を見たら もう閉店していました。
どうやら 私が最後の客だったらしいです。
6時半閉店は はやじまいだったのかな?

ぎりぎりラーメンを食べることが出来て 幸運でした。
願いは 叶うようです。


駅前で宿をリサーチする為 交番で教えてもらい 一番安いと思われる 交番近くの旅館を教えてもらいました。一泊朝食つきで5000円なり。
カプセルホテル並の値段で 和室だし朝食つきは安いです。(さとう旅館)

ここは居酒屋もやっているので 晩酌をやりました。
ツーリングのメインの目的は 地元の料理を地元のスタイルで 地元の人と話しながら食べること。
今日のメインは ゲンチョウのから揚げ

ゲンチョウとは 九州では「くつぞこ」とか「くっつぉこ」とか言われるもので 他方では「うしのした」といわれる 舌平目のことです。
さすがに地の魚らしく プリプリとした触感と ほんのりよい香りがして 美味しかったです。

二杯酢が添えられていましたが せっかくの魚の良い香りが台無しだったので 塩をもらってそれで食べました。
瀬戸内の魚は やはり美味しいです!


別のテーブルでは 地元の商店主達が 宴会をされていました。

この方たちと 少し話すことがあり さっそくこの日一番の話題だった ライブドアの堀江氏逮捕の話題を振ってみると 以外や以外 堀江氏擁護の方と 批判の方が半々だったことです。

尾道といえば 前年の選挙で 堀江氏が旋風を巻き起こしたところ。
地元の人は堀江氏に 案外好意的な人が多く その熱は最近まで冷めていないようです。

外から見れば 地元に関係のない候補者が 勝手に選挙区を かきまわしているようにしか見えなかったのですが 潜在的に世直し的機運が蔓延しているのか 期待はかなり大きかったようで 若い層とそれを支持する母親層で 人気は高かったらしいです。。

尾道はかつて江戸の昔は 海を背景に交易で非常に栄えた海の都市でしたが やがて近代の自動車中心の世の中になると その迷路的都市の作りがアダとなって 自動車の入れない美しい坂と階段の街のつくりは 自家用車の所有を拒む時代遅れの街としか 認識されず やがて徐々に寂れてゆきました。

日本中に蔓延している 不景気と官僚主義からの脱出を願う 世直し的機運は この街に他所より より強い願いを感じました。

この感じは 日本にあるよく似た構造の町 長崎や 函館 でも感じました。

今の首相に絶大な人気があるのも 潜在的な世直し願望のせいなのだと思います。

変わらなければならないのは ヒーロー願望ではなく 自分たちの考えなのだと思うのですが。


旅館の部屋は八畳くらい テレビとエアコン完備の最低限の部屋ですが これで充分です。

どこの旅館でも 広告に出ている 最低ランクの部屋はなぜか空いておらず たとえ宿泊客が私一人でも  ワンランク上の部屋をあてがわれます。

駅前旅館・ホテルの七不思議です。

今日はゆっくり眠ります。
就寝9時半。


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