冬ツー 2日目 岡山〜小倉 2005/2/9

一夜明けて カプセルホテルの朝。
のんびり天気予報を見ていると、明日の予報が出ていました。

今日9日の中国地方は 晴れなのですが 明日10日は曇り さらにこれから行くことになる九州は 雨の予報が出ています。

これは 今日 行けるところまで行かないと 先行きが辛くなります。

覚悟をきめて 早々に出発することにします。
このカプセルホテルは ありがちなパチンコ屋さんの経営なのですが 広い駐車場を持っていて バイクは屋根つき 鍵付の最高の駐車場に駐車することが出来ました。

これで素泊まり3800円は 絶対安いです。
街中のホテルや旅館に泊まっても 屋根つき駐車場なんて なかなか望めないし 防犯も心配です。

それを考えたら 昨日の宿泊は大成功でした。

ツーリングの宿泊は 努力して屋根つき駐輪場を探すことにしています。
岡山市内は 渋滞の時間を避け 早めに抜け出したので 移動はスムーズでした。

福山市内のR2号には「府中わかれ」と呼ぶ 分岐点があります。ここから先は 自動車専用道路なのです。当然ハンターは通ることができません。

わざわざ旧2号線を探し出して 町の出口までエスケープします。

自動車や大型バイクにはない苦労が 原付バイクの旅には沢山あるのです。
今回の旅のメインテーマは「海」 広島の手前 呉市にどうしても来たかったのです。
その理由は 渡し舟とループ橋です。

呉に音戸の瀬戸という場所があります。
狭い海峡には 島と陸地にループ橋がかかり その下を大型船が潜り抜けていく光景を見てみたかったのです。

さらに調べると 海峡には「渡し舟」があるというのです。

しかも その渡し舟には バイクも乗れるというのです。これは 乗ってみないと始まらないと思いました。
ちょうど大阪の天保山の渡しくらいの規模と 大きさで渡し舟はありました。
大阪の渡し舟は バイクは乗せてくれません。

もしかしたら 日本で唯一バイクが乗れる渡し舟なのかもしれません。
乗り場である「はしけ」は 海に突き出した 浮き桟橋です。
バイクをガタガタと波状路を押して はしけの先端にバイクを持っていくと 向かいから渡し舟が迎えに来てくれます。

船をはしけに乗り付けて おじさんがどうぞと手招きしてくれます。

船の甲板と はしけの隙間を おそるおそる覗き込みながら バイクをそろそろと押して 船に乗り込みます。

はしけは揺れるし 船は小さいし 転べば即ライダーとバイクは海に落ちます。
こりゃ 原付バイクでしか利用できないでしょうね。
のんびりループ橋を眺めながら 対岸に渡ります。
これをやってみたかったのです。

念願が叶いました。

昔、TL125バイアルスというバイクの雑誌の広告で 渡し舟に乗ったトライアルバイクの写真を見たことがあります。

ツーリング中のバイクというのがテーマの広告でしたが 強烈に印象に残っていて いつかやりたかったのです。

この日は のんびりと暖かく 昨日より更に気持ちの良い一日でした。
バイクの渡し賃は 110円でした。
音戸の瀬戸の渡しに しばらくいて また出発しました。広島市内は何度も訪れているので 今回はパスして先へ進みます。
宮島口で 遅い昼ご飯をとります。

あなごめしの 「うえの」さん。
ざくざくした触感の炭焼きあなごは しなの木の折り詰めの香りがぷんとたって もっちりしたご飯とのハーモニーが絶妙でした。

名物にも うまいものはあり・・・・・
腹も膨れて 満足満足。
さてさて 西へ向かうぞー

天気もよいし 思いっきり走りたい気分です。
とはいえ 広島県はとても広いです。この先も なかなか出られません。
さらに山口はもっと広いです。

今日は何処までいけるかなぁ。
妙な和風レストラン「山賊」

鶏料理が名物なのですが 前回来たときは真夜中だったので かなり不気味で趣味悪いなぁと思ったもんですが 明るい時間に来てみると 殆どのオブジェは書割とか 表だけのカンバンみたいな造りだったので いささか拍子抜けしてしまいました。

夜見ると なかなか不気味で迫力があるんですがねぇ。
暗くなって また回り道をさせられました。
暗くなるとエスケープ路を探すのもひと苦労します。

たまのトイレ休憩はコンビニを使います。
明るい店内は 気持も明るくなって ほっとします。
走り出したら・・・・
通行するトラックは 夜更けになって どんどんスピードアップしていって 原付ライダーにとって 危険な存在になりつつあります。

慣れない夜道を四苦八苦しながら 国道をよたよた走っていると トラックたちはイライラするのか 幅寄せしていきます。

真横を通ったトラックの風圧に 引きずりこまれそうになりながら 車の邪魔にならないように 道路の端っこをひたすら 走り続けます。
とうとう道路標示に「北九州」の文字が現れました。

岩国に入った時点で 「下関まで169km」 という道路表示を見つけ まだまだ先の遠いことに 諦めにも似た安心がありましたが、頭の中を空っぽにして ただたんたんと走ります。

「どこかで そろそろ泊まりたいなぁ」
この頃はまだまだ 途中で宿泊する意思はありました。

しかし ストップするきっかけが掴めず ただただ走り続けることになるのです。
やがて 諦めは希望に変り 先に進むことが目的になってきます。

あとすこし あとすこし・・・
やがて 関門トンネルに到着しました。
ちょっと走りすぎたかもしれません。

でも ここまで来たら 一気に九州まで駆け抜けてしまいたい衝動に駆られても しょうがないでしょう?

関門トンネルを抜けると 九州は雨でした。見事に。とりあえず 小倉へ向かい今夜の宿を探しますが・・・
こういうときは バイク乗りは嫌われます。ぬれねずみでホテルや旅館に宿泊を申し込むと よい顔はされません。濡れたジャケットは ホテルに入るのをためらわせます。
小倉駅前で 一泊3800円というカンバンを見つけて 思わず飛び込んでしまいました。

訪ねてみると 嫌な顔ひとつされず ニコニコとした応対にほっとして 宿をとることにしました。

バイクを屋根の下に入れてもらって 鍵をかけてから ホテルのほうを振り向くと 地味ーな造りの 連れ込みホテルだったことに気がついて 苦笑してしまいました。

でも 雨の一夜 バイクとライダーが安全に泊まれるのですから これ以上何を求めるのでしょうか。
この手の部屋にしたら地味なほうかな(笑)

あまりにも大きなベッドだったので 思わずスイッチを探してしまいましたが このベッド 動かないのですね(爆)

携帯とカメラの充電機をセットすると もうすることがありません。

部屋の中を見回すと 風俗の雑誌があって 出張○○○嬢の電話番号がいっぱい載っていました。
なるほど だから一人で泊まる人が利用するんだな、と一人納得しながら 風呂にはいって寝てしまいました。
ベッドの上の天井は ガラス張りになっていて 自分自身と目があってしまいました。

さすがに疲れて 指一本動かす力も残ってはいません。このまま 泥のように朝まで眠りこけてしまいました。

今日も無事でした。
ありがとう。

しかしまあ 知らなかったとはいえ エライところに来てしまいました(笑)

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