北海道第七夜 
 初顔合わせ イベント

朝から ラベンダーのよい香りがして最高のめざめになった。
今日は キャンプ場が ラベンダー畑の風下になったようだ。

本来ラベンダーの盛期は7月なのだが、富良野や 美瑛では観光用として 工夫して早咲きから 遅咲きまで 長い間 観光客の為 花があるように努力している。見渡す限り ラベンダーが見られるというのは 望めないが ほのかな香りを楽しむのは 8月のこの時期でも大丈夫なようだ。

いよいよ イベント当日。
私は 出演者のひとりではあるけれど 全く今の状況が分からない。しかし まあ 「行けば何とかなるだろう」くらいの気持ちで望むことにした。
朝 掲示板が動き始めてすぐに のんびりとした調子で さりげなく聞いてみた。
「ところで 今日何時に 待ち合わせでしたかね?」

見ている人は 一様に「??」と思われたようだが、なに こっちも実は必死なので ここは是非 答えてもらいたい。
しばらくして 隊長さん以外の ギャラリーの方から返事があった。今日 正午ちょうどに
「美瑛・山頭火」に集合
この返事で 朝から少し余裕が出来た。今いるのは 北海道でも最高の場所だ。

新栄の丘
待ち合わせまで あたりを散歩(もちろんカブで)することにする。
まず 国道より東側の 新栄の丘に行ってみた。相変わらずの曇天で 景色はどんよりとしているが 落ち着いた感じのいいトーンだった。
次に 新栄の丘から程近い 前田真三写真館に 行ってみる。美瑛へ来ると 必ず寄るが相変わらず人が多い。
あらためて 前田真三さんの写真を見ていると プロの作品が いかにすごいか 思い知らされる。こんなの どうして撮れるの?という作品の オンパレードだった。
また美瑛が いかに美しいか良く理解できたが、同時に作品に圧倒されて 自分の撮っているものが ちんけなものに見えてしょうがなかった。
この日は 意気上がらず せっかく美瑛にいるのに あまりシャッターは押していない。

美馬牛(びばうし)のホクレン
さて昼前 初顔合わせする時間に 近づきつつある。いったんテントに戻ったのだが、出ようとすると カブのガソリンが ぎりぎりだった。昨日見ておいたのだが 確か美馬牛の駅前に ホクレンのスタンドがあった。そこへまず 寄ったのだが・・・
スタンドには 誰もいず 焦りを感じ始めた私が その場を去ろうとすると 向こうからおじいさんが 手を振って近づいてきた。・・・ここの管理者だった。

おじいさんに ガソリン補給をお願いすると ゆっくり ホントゆっくり 焦ってイライラする私をしりめに スタンドの鍵を開けて 支度を始めた。
ゆっくりゆっくり ガソリンを入れてくれたが 入れ終わって 請求書を見ると 4.5リッター??の請求? どんな魔法を使ったのだろうか?タンク容量を超えた補給だった。タンクからっぽでも 4リッターは入らない。(確認済み) 

文句を言うのも もどかしく 再スタートした。ああ、遅刻しそう。
でも何とか 間に合った。隊長さんは 先に到着されてて 暖かく出迎えてくださったのだが 待ち合わせ場所には バイクとライダーが いっぱいごちゃごちゃとたむろしていて 隊長さんを見つけられず 気がついたら 横に居たという 間抜けな出会いとなった。(向こうの方では しっかりと見ていてくれたのですが)

BM救助隊隊長←クリック
まずはご挨拶。開口一番 「初めまして○○○○・・(本名)」と申します。
webで見るより随分とお若い 中身もお笑い系と思っていたのに(失礼) お話しすると
シリアス系の かなり真面目な方だったので ちょっと意外。
ただ 誠実で サービス精神旺盛なところは webのまんまだった。
長い間 web上だけのお付き合いだったが こうしてジカに お話できるとは 夢のようです。

イベントの始まり
ここでお話を聞くと 私が登場したときに 隊長さんが携帯で 掲示板に合図を送って webをご覧の皆さんが いっせいに カップラーメンの「山頭火」を 食べることになっていたらしい。実際 私がお聞きした時は もう終わった後だったようだ。
良く知らないで カブのガス欠で 遅刻していたら イベントがぶち壊しのところだった。
みなさんすいません。
・・で我々の分の山頭火ラーメンですが しっかりといただいた。

食後 心地よい風に吹かれて 少しお話を伺った。
いまや 大人気の「BM救助隊web斉藤」のサイトマスターから じきじきにお話を伺ったのだから 楽しくないはずはない。
食後  少しだけ 隊長さんのBMとわたしのカブラとで ツーリングすることになった。でかいBMWとカブが一緒に走る姿を 想像してほしい。想像するだけで 楽しさがわかるだろう。

行く先は 美瑛ではなく 私の案内で 上富良野から中富良野あたりの 丘の続く農道に入り込んで しばらくとぼとぼと走った。
途中 隊長さんの今日の宿泊先を訪ねると 昨日とおなじビジネスホテルだそうだ。密かに私とおなじテント泊をお勧めして 一緒に酒盛りしようと たくらんでいたのだが だめだった。

隊長さんからは 今日は 一日美瑛で 日暮れまで撮影をされるという 予定をおききした。
なんせ 今年の北海道ツーリングの目的が 美瑛での撮影だということで 気合の入り方が 私と全然違う。
つまらない 私の酒盛り計画は 黙って引っ込めて ここでお別れした。私も隊長さんも 自由な時間は あと一日しかなかった。

隊長さんは 撮影を続けられるとかで 美瑛に戻られた。別れ際 「またお会いしましょう!」と BMWで去っていかれる姿は やはりカッコよかった。

私のほうは 富良野のほうが 親しみやすいので 日暮れ近くまで ここに居て景色を楽しんだ。
上富良野〜中富良野←クリック

宴会
←クリック
夕暮れ 仮宿に戻って 夕食の支度をしていると 年配のハーレーライダーさんから お声がかかって一緒に飲んだ。もうひとりそこにいたのが、若いハーレーライダーさんだった。私がカブライダーだと言うと 二人とも興味深々で 色々質問してきた。
まあいいんじゃないの カブもハーレーもおんなじバイクなんだし。(ここんとこ わからないやつが非常に多い)

この日は 興味深いお話をして 遅くまで過ごした。話題が 暴走族の話になって 若者は 暴走族の肩を持つ側の発言をした もうひとり年配のハーレーライダーも とにかく若者のハーレーライダーに迎合して 暴走族肯定の意見を言って その場を取り繕った。

冗談じゃない 何で暴走族が正しいんだ! と思ったが 黙っていた。彼等二人でしゃべっている限り 私は何も言わなかった。私だって 進んで噛み付きたくは無い。

そしておもむろに オジサンは 私に意見を振ってきた。迎合して欲しそうな目つきで こちらを見たが、私は彼を無視してこういった。「私は嫌い」それ以上は 詳しくは言わなかったが、その場でこの話しは 途切れてしまって、話題は切り替わって 違う話になった。
私が話を打ち切ってしまったようになった。そして 少しの間 座がしらけた。

なんのかまうものか 自分を曲げてまで 話しを合わせるほど 人が出来ていない。
特にこういう話は 許せない。我々バイクのりと 同列に扱うなんて おかしいと思わないんだろうか?
二人は それきりこの話はしなくなった。
元の善良な バイク乗りの顔に戻っていた。さっきのは 私の聞き違いだったのだろうか。
晩飯で 私が作ったのは 豚のタンのしょうが焼きと 魚の味噌汁 。豚タンは 珍しいので つい買ってしまった。味噌汁の具は 手巻き寿司セットの 残りの端が安く売っていたので 味噌汁にしたのだが サケ マグロ ホタテ イカが入って豪華だった。イカだけ硬くなるので 火を止める寸前に入れるのがポイントだ。
わりと好評で みんな平らげてくれた。空腹を満たせば みんな 和やかになった。

あちこちのテントで 沢山の人たちの楽しそうな笑い声を聞きながら ラベンダー公園の二日目の夜は 更けていった。
今日も 長い一日を 目いっぱい楽しんだ。
ツーリング中の一日は どうしてこんなに 長くそして短いんだろう。


ところで 
隊長さんは どうされているのだろう?ひとりで ホテルの部屋に おられるのだろうか?
案外 掲示板のレス書き込みに忙しく 寂しくなんかないのだろうな。

隊長さん おやすみ 今日はありがとう。
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