桜旅 早春高知 二日目   2006/3/24

一夜明けて 高知ユースの朝。
今日はいよいよ ひょうたん桜に会いに行く日。
高知城下はちらほらと桜が咲き始め ユースの前の二の丸の山も 桜の花が見えます。

朝食の後 駅前愛宕町の金曜市を見に行きます。
高知の町は 週に5日くらい市がたっていて 一番大きく有名なものが 日曜市なのですが 私はあいにく日曜までここには滞在できません。
ですから せめて金曜市でも覗いていこうと思いました。
地図

金曜市は こじんまりとしていましたが 干魚もの中心の魚屋 さつま揚げ(じゃこてん?) 果物 野菜 漬物 花木などや下着などいろいろ売っていました。。

お店のおばちゃんたちも 親切で気安く優しさにあふれた 商売っ気の少ない楽しい市でした。
しょうゆ漬け 味醂漬け 開き など 日持ちのするものが中心の魚屋さん。

何枚も連で繋いだ ぺらぺらに干したカレイ
瀬戸内海沿いの地方では「デベラ」というのですが こちらでは単に「カレイ」で通っていました。

硬いので 金槌で叩いて伸ばして ガスの直火で炙って柔らかくして 醤油をつけて食べます。

酒の肴にぴったりです。

市場をひとまわりしてから お城の周りをぐるっと回ってみると 桜の馬場という通りで 桜を発見。

まだまだ一分咲きでしたが 花が見られて ほっとしました。

このまま西へ向かい 路面電車土佐電鉄伊野線に沿って伊野町へ。
そこからR33号をたどり 佐川(さかわ)町〜越智町と進みます。
越智町で早咲きの桜を見つけました。
このあたりは 随分山の中なのですが 比較的温暖な土地なのか 他所より桜の開花が早いようです。

今日は快晴。

「ツーリングに来て良かった」と思う瞬間です。


昨年から町村合併で 旧地名が変わっていて 道路標示がわかりにくいです。

この先は 旧地名吾川村ではなく 新地名仁淀川町です。
越智町と仁淀川町の境に架かる橋。
下は清流仁淀川。
橋を渡れば いきなりトンネルに入りますが トンネルの上の山には 崖にへばりつくように 沢山の人家がありました。
地図

こんな急な斜面を切り刻んで 道路を作り 平地を確保して家を建てています。

四国は山国。
一歩山に入れば このような景色が あちこちで見られます。


家は深い谷に沿って点在し 谷は川に削られて作られます。
この地にある 仁淀川 四万十川 吉野川 など石鎚山や剣山を源とする河川に沿って 谷が刻まれ 谷沿いに家や棚田が無数に作られているのです。
旧 吾川村の役場の横を通り 山の上のひょうたん桜に到着しました。
地図

一昨年ここに来たのは 4月3日 このときは満開をやや過ぎていました。
2004年4月3日ひょうたん桜



今年はさすがにシーズンより10日も早く 早咲きの年とはいえ さすがに早く来すぎたのか まだ2分咲きくらいの様子でしたが、さすが大樹のひょうたん桜。
下側の枝の花は もう咲いています。
2006年3月24日ひょうたん桜

この木は 下から上まで花が咲ききるまで 他の木より倍くらい時間がかかるそうで そのおかげで 人の少ない贅沢な花見が出来ました。

シーズンになると この辺りは交通規制がかかり ここまでバイクを持ってくることは出来ません。
 
桜の上にはこの時期茶店を開いて 近所のおばさんたちが おでんやうどん 桜ゼリーや花見饅頭などを販売しています。

今年は民放局のTVクルーが 桜とここのおばちゃん達の関わりをテーマとしたドキュメンタリーを製作するため ビデオ撮影をされていました。

私もちょっとだけ インタビューらしきものを受けましたが たぶん私のところは 放映されないと思います。

局はあのホリ○モンさんに関係のあった あそこです。
帰り道、無人販売所で 地元名産の土佐文旦を 買いました。

高級果物が こんなに安いとは 驚きです。

高知の朝市でも ひとつ500円くらいで売っていましたからね。

これはお昼ご飯代わりに 一個だけ食べて 残りは宿へのお土産にしましょう。


次の桜を求めて R33号を西進します。

同じ仁淀川町にある 秋葉神社の桜 通称中越家の桜のあるところに向かいます。

国道を外れ 県道を登っていくと 道路ががけ崩れで落ちていました。
地図

道路は見事にぷっつり落ちていて 下のほうでは復旧工事の真っ最中でした。

工事作業の皆様 ご苦労様です。
中越家の桜は 愛媛側の道路まで迂回して やっとたどり着くことが出来ましたが 残念ながら 開花には早く つぼみのシダレザクラしか見ることが出来ませんでした。

前回来たときは 夕方の為 タイムリミットで来られず 今年は早すぎて開花を見られず・・・・

でもまた来年を 楽しみにして 取っておきましょう。
来年も桜はまた咲くのですから・・・・

今来た道路を戻って こんどはR439を南下して 仁淀村(先ほどの仁淀川村ではありません)から天狗高原へ登りつめます。

高度をぐんぐん上げてゆくと やがて道の脇には名残雪が見られるようになりました。

桜の時期に雪とは なかなか見られない光景ですが 山の険しい四国ならではです。
国民宿舎天狗荘下にて。
地図

ここまで来ると 空気は澄んで肌寒く 空の色は真っ青です。

あたりは人の気配がしません。

ここまで来る間 対向車も何も会わなくて 一人ぼっちでした。

ここから 天狗高原方面に進まず 道を間違えて 県道303号に進み 高原を降りてしまいました。
地図

慌てて別コースでもう一度 四国カルスト天狗高原に上がろうと道を急ぎます。
天狗高原付近地図
ところが向かった先R440号は 登ってすぐ 時間制限の通行止めになっていました。
地図


幸いなことに わずかな通行解除時間の10分前に現地に到着したので 少しの時間待たされただけで 目的地(四国カルスト)に行くことが出来ました。
地芳峠から 姫鶴平 五段高原を通り 天狗高原にいたる道は 石灰岩質の大地がなだらかな稜線を作り 辺り一帯は四国カルストと呼ばれています。
森林限界を超えた高原では 草原が続き あちこちに突出している石灰岩の固まりは 見ようによっては 羊がうずくまっているかのように見えます。

私は道路上に転がっている 幾つもの大きな白い雪の固まりを蹴ってみたのですが あいにくそれは道路上に転がった 石灰岩の落石だったので とても痛い思いをして 顔をしかめました。

天狗高原の端の天狗荘まで駆け上がってから またUターンして 姫鶴平でひとやすみ。

肌寒いですが 天気は快晴 抜けるような蒼空 真っ白な雲 この時この場所で 私一人。
もったいないような時間でした。

時間は14時前。
そろそろ宿をとろうと 携帯電話をバックから取り出そうと捜してみましたが・・・・

ない!! どこにもありません!

あせって 昨日の宿に連絡しようとしましたが・・・・・

よく考えたら 連絡する手段の肝心の携帯がないのでした。

仕方なく 展望台横のレストハウスに電話を借りに行ってみると

   「本日休業」

ということで 誰も出てきません。

仕方なく またもとの地芳峠にもどり もと来たR440を北に下り 電話を借りる為 ふもとのガソリンスタンドに戻ることにしました。
・・・・・先ほどの通行制限のところに またまた出くわしました。
こんどは下りの逆コース。

時間は14時5分だったので すぐに通してもらえて 先ほどガソリン補給をしたスタンドに行って 事情を話し電話を借りることになりました。

スタンドマンは苦笑いして 快く電話を貸してくれました。(電話料金は払いましたよ)
慌てて高知ユースに電話したところ 私の携帯電話は ユースの駐輪場に落ちていたとのこと。

どうやら 出発時 荷造りのとき落としたらしいのです。

私は電話を預かっていただいた礼を述べ 今晩も泊めてもらうよう頼み込み やっと安堵したのでした。
しかしまあ 今日一日 何をしていたんでしょうね・・・・・・・・私は・・・・(笑)

走り出したら電話もしない コールがあってもわからない 宿に落としても半日気がつかない。
わははは 

とりあえずなくした物が出てきたから まあいいか・・・

私の周囲の皆様 こんな奴ですみません。いつもご迷惑をおかけしています。
高知ユースのペアレントさん どうもすみません&ありがとうございました。
高知ユースの駐輪場です。
ここに朝、私の携帯電話が 落ちていたらしい。
(ひとごとではありませんね)

拾ってくれた人に感謝 なくさなかった神様に感謝・・・・・・なのでした。

ここのユースなら 魅力があるので 連泊しても文句なく楽しいですが。
今日の晩御飯は外で食べることにしました。
せっかく来たのだから 土佐の郷土料理や旬の味覚を求めて 高知城前のひろめ市場へ。
地図


お酒を飲むので 足は電車にしました。

お客さんは 殆どの人が地元の人でしたが 私の隣に座った人が 仙台から飛行機できた母娘の観光客で 隣同士意気投合して しばらく話し込みました。

娘さんは大学生 お母さんも随分若い人でした。

坂本龍馬に憧れて その足跡を辿って土佐に観光に来られたらしい。

私は今日 龍馬脱藩の道の一部を走ってきたので その話をし(龍馬は城下から伊野〜佐川〜そしてそこから山の中檮原を通って 伊予の国に抜けて 脱藩したらしいのです。)

京都にも龍馬の旧跡が 多くあることを話し 関西にも是非おいでくださいと お誘いしておきました。
母娘とも感じのよい 友達同士のような親子でした。

宿に帰って21時半からユース主催の利き酒会に参加しました。

まずは 酒器の紹介や 酒蔵のお話し 高知のイベントの話し 地元の酒文化のお話など 興味深い高知の酒文化についてレクチャーを受けました。

写真の天狗は 「べく杯」というものです。
特殊な杯で よくみると鼻の先端に穴が空いているのが見えます。

この杯に酒を注ぐのですが 穴から酒がこぼれる為 指で押さえ酒を注いでもらって使うのですが 飲んでいる酒がなくなるまで 杯を放せないように作られています。

酒の弱いものには なんとも恐ろしい酒器ですが 酒好きの土佐人らしい しゃれっ気の強い道具に 感心しきりでした。
さて本番の 利き酒会の始まりです。
先に4種類の酒を味見して 今度は銘柄を隠して それを無作為に呑んでいき その番号を当てていくのです。

でたのは初歩的なもの 本醸造 吟醸 原酒 古酒を それぞれ味見してから どれがどれか 当てるのですが 味見の時 沢山飲んでしまうと 酔ってしまい何が何だかわからなくなってしまいます。
さて回答です。

私は古酒と吟醸は 匂いで判断して 当てられたのですが 本醸造と原酒は 匂いで当てることができず 思わず飲んでしまい ますますわからなくなって はずしてしまいました。

この日は外国の人を含めて 6人の人がチャレンジしたのですが 完全正解者はゼロでした。

また今度 宿泊した時には 再チャレンジしようと思っています。

この日も酔っ払って寝てしまう ダメな私でした。
明日は落し物をしないように 気をつけます(笑)
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